この指とまれ

この指とまれ 77

この指とまれ

第77話

 

 

「えー、本日付けを持ちまして二宮君は退社という事になります。
短い間でしたが、お疲れ様でした。」
「あ、皆さん、本当に短い間でしたけどお世話になりました。
皆さんのお陰で本当に最後まで楽しく仕事させて頂く事が出来ました。
ありがとうございました。」

とうとう、ニノが一足先に会社を辞める日がやってきた。
ニノはハワイへ行く1週間前までの約束で働いていたけど
出発の準備や、それまでの時間ゆっくりご両親とも
過ごす時間は必要かと思い、俺が翔ちゃんに頼んで
退社の期日を少し早めて貰った。
ニノは皆の前で最後の挨拶をすると、
風磨から花束を貰って沢山の拍手を浴びた。
そして自分の席に戻ると、机の中の私物とかを整理して帰りの支度を始めた。

「ねえねえ、お二人さん?ちょっと最後の打ち合わせしたいんだけど
今から少し時間有るかな?」

俺達にそう話し掛けてきたのは松本君だった。

「最後の打ち合わせ?」

俺とニノは訳が分からず、互いの顔を見合わせて首を傾げた。

「二人の挙式のだよ。もう当日まで時間無いからさ。」
「ああ・・・すっかり忘れてたわ。」
「大野さん一人より、一緒に聞いて貰っておいた方が良いと思って。」

松本君、相葉ちゃん、あと独身のスタッフの合計6人は
俺とハワイに赴任することが決まってる。
その中で松本君が俺らの結婚式のプランニングを仕切ってくれてて
今回は流石に俺らには内密にプランを練ってくれてたから
まだその詳細は全然俺達には知らされていない。
俺達は少人数用のミーティングルームに入り
長机の席に並んで腰かけると、松本君からプランニングを纏めた
印刷物を手渡された。

「えっと、それじゃ説明を始めるね?」
「ゴメンね。普段の仕事も大変なのに、俺らのプランまで考えて貰って。」
「何言ってんすか。おめでたい事なんだから当然の事をしているまでですよ。」
「うん、ありがとう。」
「まず、式の日取りは来月の15日ね。
これは、代表が出席したいというたっての希望で、
代表のスケジュールがどうしてもここしか空いて無いらしいんで
この日に決まったんだけど・・・
あと、会場はそこに記載されてるホテルのチャペルを使うんで。
で、二人はホテルのラウンジにお昼前には集合ね。」
「うん、分かった。それで衣装合わせとかしとかないでいいの?」
「あー、それなんだけど、そこにも少し書いてあるけどさ、
今回の結婚式はレクリエーションの要素を取り入れてるんだ。」
「レクリエーション?」
「そうそう。」
「ん?それってゲーム感覚って事?」
「うん。詳しい事はまだ話せないけどね。」
「うわぁ、なんか楽しそう。」

ゲームと聞いたらニノの目がキラキラ輝き出した。

「正直さ、同性婚の挙式を企画するのって俺ら初めてだから
今後、そういうことももしかすると増えて来るんじゃないかって
皆で話し合ってさ、思考を変えて参列した人も全員で楽しめる
面白い結婚式をプランニングしてみたら今後にも活かせるんじゃ
ないかって思ってね。」
「なるほどね・・・」
「おおーいいじゃん。」
「うん、だから全体的にラフなイメージの結婚式になると思うよ。」
「いいね。俺、堅苦しいのはちょっと苦手だから。」
「あと、挙式の間お子さんなんだけど、知念君にお世話を頼もうと思います。」
「ええっ?だ、大丈夫かなぁ。」
「そんな長時間ではないから大丈夫でしょ。」
「で、でも・・・」
「大丈夫だよ。カズ君は人見知りしないしさ、現地のベビーシッターとか
知らない人に任せるよりずっと安心だよ。」
「それはそうだけど・・・」
「最悪は誓いの言葉の時だけ預けることにしてもいいから
ここは知念君にお願いしましょう。」
「う、うん。そういうことなら・・・」
「何かすげえ楽しみだな。」
「楽しみにしといて下さい。おれらも思いっきり楽しめる
プランニング考えておきましたから・・・
それじゃ、当日は宜しくお願いします。」

いつもは企画考える側だけど、今回は全部チームにお任せで
しかもサプライズ企画ときてるから、わくわく感は半端ない。
式なんてどうでもいいとか思っていたけど、
プライベートも身になるようにわざとスタッフに
プランニングを指示するなんて、流石は翔ちゃんだなって思った。

 

 

つづく

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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