この指とまれ

この指とまれ 80

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この指とまれ

第80話

 

 

side nino

別に隠していた訳じゃ無いけど、
元々俺は智と知り合う前からかなりのゲーマーだった。
ゲームが好きな事は知ってたと思うけど、
今回ハワイにまで必要か?と思われるくらい
自分が持ってるゲームソフトの殆どを荷物に詰めて送ってた。

「こ、これって・・・」
「見れば分かるでしょ。ゲームソフトだよ。」
「いや、それはおいらにも分かるけどさ・・・」
「だから引かないでって言ったのに。」
「引いたっていうかさ・・・」
「っていうか?」
「もっと色気のあるもん期待したのに。」
「俺がお気に入りのエロ本でも持って来たとでも思ったの?」
「うん、そっちの方が良かったな。」
「あなたにとってはたかがゲームでしょうけど、
俺にとってはされどゲームなの。」
「そんなに好きなんだ?」
「これだけは譲れないです。」
「ゲームとおいら、どっちが大事?」
「はぁ?愚問ですね。」
「ねえ、どっち?」
「ゲームに決まってます。」
「こんにゃろっ!」

笑いを堪えながら答えると、智が俺に飛び掛かって
フロアーにそのまま押し倒され、両手首をロックされた。
それからゆっくりとそのスラっとした鼻が近付き
柔らかくて熱い唇が俺のに重なった。

ピンポーンッ・・・

すっかり忘れてたけど、もしかして知念?
俺達は慌てて身体を離した。

「は、はーい。」
「知念ですけど。」
「あ、待って。今行くから・・・」

もぉーっ!いいとこだったのに!
心の中でそう呟きながら、俺は玄関のドアを開けた。

「お昼は済ませられましたか?」
「あ、うん。もうそんな時間?」
「ちょっと早かったですかね?」
「ううん、とにかくちょっと上がって待ってて。
今和幸の支度するからさ。」
「はい。あ、ゆっくりでいいですよ。」
「ビーチに行くなら海パンがいいよね?」
「そうですね。せっかくだから濡れても大丈夫な格好で。」
「かずゆき、おいで?兄ちゃんが海に連れてってくれるよ。」

俺は和幸を着替えさせた。
ちょっと不安だったけど和幸も全然嫌がらないから、
不安ながら知念君に和幸を預けた。

「パパ達一緒じゃないけど大丈夫?」
「うん。」
「それじゃあ、行って来ます。直ぐそこの浜辺ですから
何かあったら、何時でも電話下さい。」
「宜しくね。そっちも手に負えない時は直ぐに電話してね。」
「分かりました。」
「行ってらっしゃい。」
「いってきまーす。」

和幸にお砂場遊びの道具を握らせて玄関先で二人を見送った。

「あの人大丈夫かなぁ・・・」
「え?知念?大丈夫だよ。カズ君あんなに嬉しそうに出掛けたじゃん。」
「それはそうだけど・・・」
「それより、続き・・・しよーよ。」

そう言って智が背中から俺を抱き締める。

「駄目です!荷解き今日中に終わらせないと。」
「えええっ?やだやだ!続きが先だよ。」
「そんなに慌てなくたって、逃げも隠れもしませんよ。
それに俺達今日からまた嫌でも一緒に暮らすんですよ?」
「嫌でもって・・・嫌な事ないもん。」
「はいはい、とにかく片付けが先です。」
「ニノだってしたいくせに!」

それは俺も否定しない。
俺達はそれぞれの実家で2週間も過ごしてたわけだから
まあまあ、ストレスが溜まってたわけで・・・
俺だって今直ぐにでも本当は智に甘えたい。

「ねえ、今のうちにしようよ・・・」
「ダメッ!もし何かあって直ぐに和幸戻って来たらどうするの?」
「大丈夫だってば・・・」
「ダーメ!」
「なら、チューだけでも・・・」
「その手には乗りませんよ。チューしたら最後でしょ。」
「うううっ・・・マジか・・・」
「とにかくさっさと荷物片付けましょう。
和幸も外で思いっきり遊んでくれば
きっと今夜もぐっすり眠ってくれるはずだから。」
「そっか。それじゃ今夜絶対だからね?」
「はいはい。もう、どんだけ欲求不満なんですか。」

と言いながらも、俺だって十分我慢してる。
こんなに自分の身体を求めて貰えるって、凄い分かり易いと思う。
これが全然求められなくなった時がある意味怖い。
これから長い夫婦生活を円満に過ごす為にも
マンネリ化しないように工夫って大事なのかもしれない。
欲に任せて身体ばかり重ねてると、きっと飽きられて
そのうち浮気とかされる心配だって出て来ると思う。
前の結婚がうまくいかなかったから、余計に
神経質になってるのかも知んないけど、
俺は夫婦でも良い意味で距離感は大事だと思ってる。
この先どんなことが有っても智だけは失いたくない。
だから、俺なりに色んな覚悟でこの結婚に挑んでる感じ。

二時間ほど荷物の整理をして、ある程度普通に
生活が出来るまでになった。
結局知念は和幸とトラブルもなく、夕方まで面倒をみてくれた。

「ただいま帰りました。」
「ぱぱぁ・・・とうちゃん・・・ただいまぁ。」
「あ、お帰り。」
「大丈夫だった?」
「ええ、カズ君ともシッカリお友達になれましたよ。」
「お陰で荷解きが捗ったよ。」
「それは良かったです。それじゃ僕はこれで失礼します。
カズ君、また遊ぼうね。」
「いやいや・・・」
「これ?和幸、お兄ちゃんにバイバイでしょ?」
「いやいや・・・」

和幸が帰ろうとする知念の後を追ってる。

「カズ君?また来るから。ね?いい子だから・・・」

驚いたというよりショックだった。
確かにうちの子はどちらかと言えば人見知りはしない。
だけど、初対面で懐いた人は智くらいで
流石に一度遊んだくらいでは和幸なりに警戒をする。
それなのに、たったの数時間で知念はもう子供心を掴んでいた。

 

つづく

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蒼ミモザ

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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