この指とまれ

この指とまれ 87

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この指とまれ

第87話

 

 

ニノが色々不安を抱いてる事も知らない俺は
いつも通り会社の仕事を終えて自宅に戻った。

「ただいまぁ。」
「お帰りなさーい。」
「今日はありがとうな。翔ちゃん達迎えに行ってくれて。
どう?元気だった?」
「うん、相変わらずみたいでしたよ。あ、明日会社にも顔出すって。」
「そっか。」
「そうそう、翔さんこっちに別荘持ってるって知ってた?」
「べ、別荘?」
「うん。てっきりホテルに泊まると思ってたから、俺も驚いちゃった。」
「何でまた別荘なんか?」
「お買い得だったらしいですよ。でも、あの豪邸は相当な値段だと思うけど。」
「マジか・・・一度おいらも見てみたいな。」
「あ、でね・・・こっちに居る間、俺達に好きに使っていいって。」
「え?」
「合鍵くれました。ほら・・・」
「ほ、本当に?」
「翔さんはこっちに来る時以外は使わないからって・・・」
「だったら何で購入したんだよ?」
「いずれ隠居生活はこっちでしようと思ってるんじゃないですか?」
「それにしてもまだまだ先の話だろ・・・」
「ああっ!そうだ!」
「えっ?な、何?」
「あなた、菊池君のこと何か聞いてます?」
「風磨?」
「さっき翔さんに質問したらはぐらかされちゃって。」
「あーあ・・・」
「知ってるんですね?」
「知ってるというか、その後どうなったのか聞いて無い。」
「何が?」
「翔ちゃん、今風磨と一緒に住んでるんだよ。」
「は?」
「どうやら風磨が翔ちゃんを気に入ったらしくてさぁ。」
「そ、そうなの?」
「一緒にこっち来るくらいだから続いてるんだろうな。」
「だから菊池君はあなたの新事業のメンバーに選ばれなかったんだ?」
「ま、そういうことだよね。」
「どうして教えてくれなかったの?」
「え?いや・・・どうしてって言われても
それは翔ちゃんのプライベートな話だから・・・」
「なーんだ。知らないの俺だけかよ。」
「そんなことより、これ明後日のスケジュールらしい。
ニノも一応目を通しておいてって。」

そう言って、松本君から預かった明後日のスケジュール表を
ニノに手渡した。

「あれ?結婚式ってホテルのチャペルじゃないんだ?」
「何か手作りの結婚式らしいんだ。」
「え?手作り?・・・予算厳しかったの?」
「そうじゃないだろうけど、松本くんも前に言ってたように
レクリエーションを兼ねた楽しい雰囲気にしたかったみたいだよ。」

そのスケジュール表によると、本当に結婚式というよりは
どちらかというと、会社のレクレーションみたいな内容が並んでて
ビーチバレーボール大会、ビーチフラッグ大会、クイズ大会
おまけにビンゴゲームまで・・・

「あの?これってさぁ、兼ねてるというよりは
もう完全にレクレーション大会ですよね?」
「何か分かんないけど、おいらとニノのチームに分けるとか言ってた。」
「はぁ?これから式を挙げる二人が敵対して闘うの?
意味が分かんないですよ。」
「そのゲームの勝敗がどうやらその後の式に関係してくるらしい。」
「ええっ?全く言ってる意味が分からないよ。」
「お祝いなんだもん、幾ら何でも悪いようにはしないだろ。」
「えー、やだぁ、怖いよぉ。」
「んふふふ。負けたチームに罰ゲーム有るのは確かだな。」
「そんなの絶対負けらんないじゃん。」
「でも何か楽しそうだよね。」
「よくそんな呑気な事言ってられますね?
ま、体力勝負には勝てる気がしないけど、頭脳戦なら
俺の方にも分があるかな。
いいですよ、ボコボコにやっつけてあげますよ。」
「チームはくじ引きで決めるんだって。」
「マジで?くじ運悪かったら最悪じゃん。」
「まぁ、式をタダで挙げてもらえるだけ幸せだよ。」
「うん・・・そうだね。」
「あっ、ちょっと手出して?」
「えっ?」
「いいから手、出して?」

ニノは首を傾げながら両手を俺の前に差し出した。

「はい、遅くなってごめんね。」
「え・・・あっ・・・智?」
「うん、マリッジリングだよ。サイズ大丈夫かなぁ・・・
おお、ピッタリじゃん。良かったぁ。」
「これって、何時?」
「あ、こないだの日曜日だよ。」
「もしかして、一人で出掛けたあの日?」
「んふふっ・・・そう。」
「智・・・」

そんなに感動だったのか?
ニノがいきなり俺の胸の中に飛び込んで来た。

「おっ?ニノ?どうかしたか?」
「ううん・・・どうもしない。だけど、俺ってホント馬鹿なんだ・・・
ゴメンね。智・・・」

何か分かんないけどそんなに喜んで貰えるなら
必至で知念から英会話習ってジュエリーショップで一人で
オーダーして購入した甲斐も有ったってもんだ。

「とうちやん・・・かじゅも抱っこ!」
「え?あ、おおっ!カズもか?」
「ダメ!かずゆきは後でだよ。パパが終わってからね。」
「いやぁーかじゅも抱っこぉー」
「あははは・・・どっちも抱っこするよ。おいで?」

俺はニノとその場にしゃがんで二人をしっかり両腕に抱き締めた。

 

つづく

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蒼ミモザ

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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