この指とまれ

この指とまれ 93

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この指とまれ

第93話

 

 

「それで?おいらに聞きたい事って?」
「ああ・・・うん、実はさ・・・この話は
俺から言わない方が良いのかも知れないけどさ・・・
ちょっと気になってたもんだから。」
「えっ?何のこと?」
「俺はあなたのことは付き合いも長いし、
ある程度は分かってるつもりだよ。
あなたのこと見てればニノにメロメロなのも十分過ぎるほど分かるし
よそ見なんかする暇も無いだろうとは思うんだけど・・・」
「よそ見?」
「あなたさぁ・・・最近休みになると家に居ないらしいじゃん。」
「え・・・あっ・・・何で知ってるの?」
「一体何処に何の目的で出てるの?」
「そ、それは・・・」
「ニノが心配してたんだよ。」
「えええっ?」
「この頃あなたの様子がおかしいって・・・」
「マジか・・・」
「本当なんだね?」
「いやいやいや・・・違うんだ。これには訳があってさ。」
「大野さん!」
「は、ハイ?」
「俺には嘘とかやめてよね?」
「う、嘘なんてつかないよ。ちゃんと説明するから。」
「是非そうして欲しいものですね。」
「あー、もう・・・何で変な事になってんの?」
「知らないよ。俺だってニノから話聞いてビックリしてんだから。」
「英語をね・・・」
「英語?」
「うん、そう。おいら話せないじゃん。」
「あ、うん。それは知ってるけど。」
「知念に個人レッスンお願いしてるんだ。」
「知念君に?」
「う、うん。」
「何で?」
「な、何でって言われても・・・」
「まぁ、あなたが言葉に困らない様に秘書をつけたのは確かだけど・・・」
「日常的な会話とかだけでも話せるようになればさ、
仕事にも生かせるようになるかなって・・・」
「うん、まぁ・・・それは確かにそうだけど・・・
でもどうしてそのことをニノに言わないの?」
「それがさぁ、ニノは知念の事をやたら敵対視しててね・・・
個人レッスン受けるなんて話せば絶対心配して反対すると思って。」
「ヤキモチ妬くってこと?」
「う、うん・・・」
「何かあったの?知念君とあなた・・・」
「な、何も無いよ。」
「そうかぁ・・・そういうことだったのか。なるほどね。」
「そうだよぉ。おいらがニノ以外の人間に色目とか使う訳ないじゃん。」
「ホントに?」
「ホントだよ!」

翔ちゃんはお酒を飲みながらケラケラと爆笑し始めた。

「な、なんだよ?」
「あははははっ・・・あぁーなーんだ。そういうことだったのね?」
「ニノ、翔ちゃんにその事で相談してたんだ?」
「かなり深刻な感じだったんだよ。まだ結婚して間もないってのに
うまくいってないのかって心配しちゃったよ。」
「何で俺に言ってくれなかったんだろ?」
「彼だって本当は問い詰めたかったんだろうけど
それを束縛してると思われるのも嫌だったんじゃないの?
それは即刻正直に説明して弁明したほうがイイと思うよ。」
「う、うん。」
「ニノが不安になるほどあなたと知念君が親密に見えるって事は
やっぱりどうしても代表と秘書って関係上、四六時中一緒に行動してるから
自分の知らないところで何かしら恋心芽生えたりとか
そういう危機感が常に彼の心の何処かに潜んでるってことなんだろうな。」
「恋心?芽生える訳無いじゃん!」
「あなたはそうだろうけど、知念君の方は分かんないでしょ?」
「ないない・・・」
「あなたは風磨の時もそうだったよね?」
「あっ・・・」
「人の心なんて何時どうなるか分かんないもんだよ。
そもそも秘書を着ける事はあなたにとって善かれと思って
俺が考えた事だから、この俺にも責任はある・・・」
「ちょ、ちょっと、まだ別においらと知念は何もないからね?」
「当たり前だよ。何かあって貰っちゃ困る。」
「英語、かなり彼のお陰で上達したんだよ。
こないだもニノの結婚指輪、おいら一人でショップに買いに行けたし。」
「そうなんだ?」
「うん・・・」
「それで?まだ続けるつもりなの?」
「うーーん・・・どうしよう?」
「秘書を交代して貰うか?」
「え?」
「元々女性とかだとトラブルのもとだからって知念君にしたんだけど
こうなるとおじさんとかおばさんの方が良かったかもな。」
「待ってよ?そうしたら知念はどうなるの?」
「え?そりゃ帰国してもらうけど・・・」
「そ、そんな・・・」
「嫌なの?」
「あっ、別に変な意味は無いよ。だけどここまでカズが懐いてて
プライベートでも凄く協力的なのに・・・今更うちらの事情で
帰国させちゃうって申し訳ないよ。」
「あなたは優しいからな・・・」
「翔ちゃん・・・」
「だけど、その優しさはニノだけに向けてあげないと。」
「それは勿論分かってるよ。」
「俺はさ、二人が幸せになって欲しいから色々と俺なりに
考えてあげてたつもりなんだけどな。」
「翔ちゃんにはホント感謝してるよ。」
「だけど、それが裏目に出てるのなら何とかしないと
責任あるし・・・」
「ニノにはおいらからちゃんと説明するから、
知念のこと外さないでやってよ。」
「うーーん・・・」

ニノが翔ちゃんにそんな相談をしてたなんて
結構ショックだった。
だけどそこまで不安にさせたのは俺だし
ちゃんと話せば分かってくれると思ってたんだ。
この時までは・・・

 

つづく

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蒼ミモザ

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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