この指とまれ

この指とまれ 54

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この指とまれ

第54話

 

 

色々と気分よく風呂から上がると、ニノがキッチンで何かを準備してた。
もう夕飯はとっくに済んだから、きっと明日の朝飯の準備でもしてるのか
と思ったら、そうじゃなくてこの後俺と一緒に飲もうと思ってか
適当なつまみなどを出して酒の準備をしていた。

「あ、大野さん、飲むでしょ?」
「え・・・あ、うん。それじゃちょっとだけ貰おうかな。」
「どうせ明日も休みなんだしゆっくり飲みましょうよ。」
「う、うん・・・」

そうは言うけど、これから俺はやる気満々だったっていうのに
飲み過ぎて機能しなかったら困るじゃんって
一番にそんな不安が俺の頭の中を過ぎった。
まあ、自分でセーブすればいい事だけど・・・

「頂いたお酒が沢山有るんですよ。なかなか普段は俺一人で
家飲みすることが無いから全然減らなくて・・・」
「ふうん。ニノは普段は飲まないんだ?」
「元々お酒そんなに強い方じゃないんで。」

それじゃ、今夜は酔わせちゃおうかな。
酔って色っぽくなるニノも見てみたい。
そんな事考えてたら、きっと顔に締まりが無くなってたんだろう。
直ぐにニノに見透かされてしまった。

「何かやらしいこと考えてたでしょ?」
「え?あ・・・分かる?んふふふっ・・・」
「残念でした。俺はだいぶ水で薄めて飲むんで酔わないですよ。」
「えええっ?何だよそれ。」
「はい、それじゃ乾杯しましょ。かんぱーい。」

ニノが俺に水割りを作って手渡し、グラスを傾けて乾杯した。
まぁ確かに男同士で関係を持つ事自体が初めてなわけで
多少なりとも酒の力借りないと、これでも若干恥ずかしさは有るし
うまくそういう行為をやれるかどうか、自信もある訳じゃ無いから
少しほろ酔い位の方が丁度いいのかも。

「ねえ?さっきの話ですけど・・・」
「えっ?」
「結婚の・・・」
「ああー、それね。」
「本気なの?」
「勿論おいらは本気。」
「俺は仕事辞めなきゃなんないんですか?」
「うん。どうせ辞めたいって言ってたじゃん。」
「そ、それは・・・」
「おいらが翔ちゃんと付き合うかもしんないって思ったから?」
「うん・・・」
「その事だけどホントごめんね。騙したりして。」
「あ、べつにそれは結果オーライなんで気にしてません。」
「本当は仕事辞める気ないんだ?」
「だって仕事はしないと食っていけないでしょ。」
「うん、そりゃまあそうだけど。おいらはね、さっきも言ったけど
ニノはカズ君がもう少し大きくなるまでは家に居て
育児に専念した方がいいと思うんだよね。」
「で、でも・・・」
「父親と母親の役割を両立させるのって大変じゃん。
カズ君が麻疹になった時においら思ったんだけどさ
子供ん時に病気した時、一番一緒に居て欲しいのって
かあちゃんだったなぁって、おいらは思ったりするの。
おばあちゃんを頼っちゃいけないってことじゃ無いよ。
だけど、もしもおいらと一緒になるんなら
経済的な事はおいらがキチンと面倒見て、ニノは
家の事と育児に専念出来るんじゃないかって思って。
せめてカズ君が自分の事を色々一人で出来るようになるまでは
そうした方が良いって思うんだよね。」
「うん・・・でもさ、こんな言い方したら悪いけど、
あなたもそこまで高給取りって訳でもないでしょ?」
「ええ?ああー・・・まあ今は確かにそうだけど。
特別贅沢しないならなんとかなるって。」
「あなたにだけ負担掛けるのは・・・」
「ってことは、前向きに検討してくれるの?」
「あっ、いえ、そういう訳では・・・」
「実はさ、おいら新事業の話が来てんだ。」
「ええっ?新事業?」
「うん。翔ちゃんがおいらにその代表になって欲しいって
話を持ち掛けられてて・・・」
「す、凄いですね。」
「まだ詳しい内容は聞いて無くて、返事もしてないんだけど
今後二人を扶養していくとしても、収入面では今よりは
全然問題ないと思うんだよね。」
「そ、そこまで考えてくれてるんだ?」
「そりゃあそうだよ。」
「なんかビックリだな・・・」
「え?」
「あなたがそこまで真剣に俺の事考えてくれてたなんて。」
「分かった?おいらがどんだけニノの事想ってるか。」
「でもなぁ・・・」
「え?まだ不安材料あるの?」
「相性いいかも分からないのに・・・決めちゃっていいのかな。」
「おっ?そうだった。それを今から試そう。」
「え・・・」
「ほら、早く二階行こ。直ぐに不安なんて解消させてやるから。」
「えええっ?もう酔ってるんすか?」
「まだ酔ってねえし。」

そういうことで、飲みは中断して俺達は寝室に上がった。

 

 

つづく

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蒼ミモザ

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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