この指とまれ

この指とまれ 88

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この指とまれ

第88話

 

 

そして、いよいよ俺とニノの結婚式の当日がやって来た。
とは言え、内心は嬉しいんだとは思うけど
ニノはあまりそういうのを顔に出すタイプでもないから
とりわけ特別なことは何も無くて、至っていつも通りの朝を迎えた。

「おはよう・・・何時だっけ?集合・・・」
「お昼前にホテルのロビーでしたよね。さっさと着替えて
朝食済ませて下さい。」
「ニノが起きたの全然知んなかったわ。」
「あなた爆睡してたもの。」
「朝飯コーヒーだけで良いよ。」
「調子でも悪いの?」
「ううん・・・そうじゃないけど。」
「だったら、ちゃんと食事は摂らないと。
今日はあなたは体力勝負だから私に勝てませんよ?」
「体力ならニノより有るよ?」
「いいから、これ飲んで。」

そう言ってニノが何やら怪しい緑色のドリンクを俺に手渡した。

「ううっ・・・なにこれ?」
「ニノちゃん特製、スタミナドリンクですよ。」

必至で笑いを堪えながら答えてる。

「何か臭いんだけど?」
「馬鹿ですね。これめちゃめちゃ身体に良いものばかり入れてるんだよ。
しかも俺が愛情込めて作ったんだから・・・くくっ・・・」
「もう笑っちゃってるじゃん・・・だったらひと口ニノが飲めよ?」
「とうたん、かじゅが飲む!」
「え?カズには無理だって。」
「やーだ!かじゅも飲む!」
「仕方ないなぁ・・・ちょっとだけだぞ?」

カズ君に泣かれそうになって、仕方なくひと口それを飲ませた。

「おいちぃ。」
「マジか?」
「子供に毒味させるなんて信じられないな。」
「ど、毒味だなんて違うよ!」
「酷いな。俺が毒でも混入させてるとでも?」
「んなわけないじゃん。」
「今日はレクレーションが終わるまで飯にもありつけないかもよ?
とにかく文句言わないでそれ全部飲んで下さいね。」
「うう・・・分かったよ。」

一体何入れたらこんな色になるんだよ?
俺はグラスを一周させて中身を検証する。
子供が飲んでも慌てないところを見ると
普通に色んな食品を混ぜて作ってるのには違いないけど・・・
俺も恐る恐るそのドリンクに口を付けてみた。

「おっ!意外と美味い。」
「だから、俺があなたに変な物飲ませるわけがないでしょ。」
「ご、ゴメン・・・」
「言っとくけど、俺そこまでしてレクレーションに勝ちたいなんて
思ってませんから。」

確かに・・・そりゃそうだ。
だけど、色がもう少しなんとかなんないかな?と思えるほど
エグかったりしたから、流石に俺もビビった。
今日のチーム戦の罰ゲームの内容を何も知らされていないから
過剰に反応してしまうのかも知れない。
そして、俺達は身支度を済ませて待ち合わせ場所へと向かった。
待ち合わせのホテルには松本君が来ていて、
俺達がロビーに姿を現すと、ニコニコと満面の笑みで
俺達に手を振って出迎えてくれた。

「ゴメン、待った?」
「いえいえ。丁度俺も来たところですよ。」
「皆は?」
「もうイベント会場に集まってるんで、お二人もこれから俺が
ご案内させて頂きます。」
「なんかワクワクするなぁ。」
「楽しみにしてて下さいよ。」
「ゴメンね。忙しいのに俺達の私的な事で手を煩わせてしまって。」
「気になさらないでいいですよ。皆ノリノリで企画して
結構準備なんかもそれぞれが楽しんでましたからね。」
「それなら良いけどさ・・・」
「それじゃ早速行きますか?」

そして俺達はそのホテルのプライベートビーチへと案内された。
そこはほぼ貸し切り状態で、砂浜にはビーチバレーコートや
ビーチフラッグ等の試合が何時でも行えるようにセッティングされていた。
そして、集まってくれた会社のスタッフがそれぞれ談笑して
俺達を待ってくれてた。
今回はレクレーションが主体って感じなんで、服装も
皆どちらかというとめちゃめちゃラフな軽装で
本当にこれが結婚式?と疑ってしまう程だ。

「それじゃあ、始めますか。一応事前にチームの組み合わせは済んでます。
大野さんのチームは向かって左コート、二宮さんチームは右です。」
「飯とか無いの?」
「あー、食事は全てのゲームが終わってからです。」
「だから言ったでしょ。食べるのなんて後からなんですよ。
俺の特製ジュース飲んでて正解でしょ。」
「マジかぁ。」
「大野さーん!早く来なよー。始めるよー。」

翔ちゃんは俺のチームみたいで、左のコートから大声で俺を呼んだ。
俺達は知念にカズ君を預けてコートに向かった。

「翔ちゃんが同じチームかぁ。」
「何か問題でも?」
「だって翔ちゃん、昔からスポーツ苦手なイメージ有るんだもん。」
「失敬な!確かに得意ではないけど、俺はあなたの為に
今日は最善を尽くすつもりだよ。」
「んふふ。宜しくね。」
「それじゃ3セットマッチで参りまーす。」
「よーし、負けねえぞぉー。」

いよいよ俺達の罰ゲームが懸った結婚式イベントの企画がスタートした。

 

つづく

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蒼ミモザ

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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