暗闇の天使達

暗闇の天使達 11

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暗闇の天使達

第11話

 

 

===2023年side nino===

 

俺の結婚の発表から約5年。世間がさほど騒がなくなったタイミングを見計らってようやく離婚の報道が流された。
勿論そんなの最初っから無かった話。
だけど、それは世間やファンの人達にも一切バレちゃいけない、俺の人生を賭けた会社との密約だった。
この日をどんなに待ち望んだことか・・・だってこの先には幸せな暮らしだけが俺を待ってるんだもの。
いや・・・でもそれは、俺が勝手にそう信じていただけなのかも知れない。
俺は早速ユリーさんに頼んで新しいマンションを準備して貰って、俺の事を待ってくれてる休止中のリーダーを迎えに行った。

それから俺達は夢にまで見た同棲生活を始めた。
もう付き合い始めた頃から考えると、俺達も随分年を取ってしまったけど
遠距離恋愛してたお陰で、二人の間にマンネリって感覚は何処にも無くて
むしろずっと二人でいられる事が新鮮で、俺としては毎日が楽しくて幸せに思えた。
だけど、そんな幸せな日々は長くは続かなかった。
リーダーが戻って来たことで、即五十嵐の活動再開についての打ち合わせが始まった。
リーダーには早速仕事のオファーが殺到し、映画や舞台等が次々とスケジュールに組み込まれていった。

 

「はぁっ・・・」
「どうしたの?溜息なんかついて。」
「ん?あ、いや、何でもない・・・」
何でもないわけないだろ?
もう、東京に戻って来てからのリーダーは完全に表情が死んでた。
言葉にしなくたって、好きな人が想い悩んでる事くらい見れば直ぐに分かる。
時々ボーッとベランダから外を眺め、何処か遠くを見てる事が多くなった。
「リーダー?飲みますか?」
「え?・・・あ、うん。」
俺は冷蔵庫から缶ビールを取り出してリーダーに手渡した。
リーダーの座ってるソファーの隣に腰掛けて、缶ビールを傾けて乾杯した。
「何考えてたの?」
「え・・・別に・・・」
「ふうん・・・あのさ、リーダー俺と居て楽しい?」
「えっ?な、何で?た、楽しいに決まってるじゃん!」
「そうかなぁ・・・」
「そうだよ。何だよ?突然おかしなこと言うのやめてくれ。」
「来年11月は25周年なんだって。早いよねぇ。」
「そうだな・・・」
「ブランクあったけど、20周年がまだこないだの事みたいな気がしてるよ。」
「うん・・・」
「それまではスローペースで動くみたいだから、徐々に身体作んないとね。」
「あ、ああ。そうだな。」

時々フッと見せるリーダーの辛そうな表情・・・
やっぱり何か悩んでる。
リーダーとこうして一緒に居られるだけで俺は幸せなのに、リーダーはそうじゃない?
自分との温度差みたいなのがあまりにも違う事に不安を感じずにはいられなかった。

そんなある日、俺は休憩中トイレで鉢合わせになった翔さんから
驚くべき事実を聞かされたんだ。
「あ、ニノ、大野さんの話聞いた?」
「えっ?リーダーがどうかしたの?」
「あれ?何も聞いて無いの?ニノなら先に聞いてるかと思ってたけど・・・」
「何?」
「大野さんさ、色んな仕事蹴って25周年のライブが終わったらアメリカに行くらしい。」
「え?・・・うそ?」
「あ、俺も信じられなかったから直接聞いてみたんだよ。そしたらさ、マジな話みたいで・・・」
「ア、アメリカなんか行ってしまったら五十嵐はどうすんの?」
「まだそれを今から皆と話し合うらしいよ。まぁ、あの人ももう42だから・・・
それに近頃ちょっと元気なかったよね?色々思い悩んでたんだろうなぁ。
俺はあの人の事考えたら、そろそろ自由にさせてあげるのがいいのかなって・・・
もう十分五十嵐としては頑張ってくれたしね。」
「じょ、冗談じゃ無いよ!何を勝手なこと!」
「二、ニノ?」

俺は自分の耳を疑った。何で俺に何の相談もしてくれなかったの?
アメリカだなんて・・・何勝手な事一人で決めちゃってんだよ。
俺との暮らしはどうなるの?
折角我慢に我慢重ねてここまで辿り着けたのに・・・
俺は本人の口から説明してくれない限りそんな事絶対に認めないから。

 

 

 

つづく

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蒼ミモザ

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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