暗闇の天使達

暗闇の天使達 3

暗闇の天使達

第3話

 

 

 

 
「それでね、俺達は事務所に呼ばれてある書類の束を手渡されたんだ。」
「書類?」
「うん、全てはこれが俺達の終わりの始まりだった気がする。」
「ええ?まさか、その時からあらゆる計画がなされてたって事?」
「うん・・・当時俺達5人もさ、まだ2020年のオリンピックに向けての事しか聞かされてなかったんだけどね。
 本当はその裏で会社は色んな問題を沢山抱えてたんだよ。」
「問題?五十嵐は国立競技場やドーム球場でライブチケットも入手困難と言われてて
 それこそ会社自体は安泰のように見えたけどなぁ。」
「俺達は必死でやって来てる中、いつの間にか有難いことにそんな環境で仕事させて貰って幸せだったよ。
 だけど、実はこの書類の計画っていうのは、本当は俺達の先輩グループが請け負う筈だったんだ。」
「ああ・・・SPARKか。懐かしいな。彼らも素晴らしいグループだったよな。」
「うん。」
「でもSPARKは解散したもんなぁ。そうか・・・それで五十嵐にその役が回ってきたって事か。」
「7年も先の話だし、正直説明されても俺はピンと来てなくて。ただ、オリンピックにうちのタレントを使うっていうの
 社長の長年の夢だったらしくて・・・」
「それは俺も聞いたことが有るな。」
「先輩の解散は会社の大きなマイナスになった。でも、会社は立ち止まる訳にはいかないでしょ。
 もうオリンピックに向けてのプロジェクトは動き始めてた訳だから・・・」
「それで?その計画書はその時どの程度の説明だったの?」
「先ずは俺らの15周年のイベントとしてハワイのライブを開催するって伝えられたの。
 およそ3万人のファンを動員して、2日間のライブを現地で開催することになったんだけど
 実はこのイベント、スポンサーさんとメディア関係者さんをおもてなしする大事なパーティが本当の目的だった。
 俺達は15周年って中途半端な時期にここまで大きなイベントは誰も望んでなくて
 皆がそんなのやる必要ないって訴えたんだ。日本から来てくれるファンの子達の経済的負担を考えても
 どうせやるなら国内で出来ないのかって、ちょっと内輪で揉めたんだよね。」
「へえ・・・そんなことが有ったんだ?」
「でも、結局そのパーティでしっかり営業することで、先々オリンピックの仕事にうちのタレントを起用して貰えるかどうかが掛かってるって
 物凄く上から説得されてさ・・・」
「なるほどね。上からの絶対的命令じゃ断りも出来ないわけだ。」
「うん、まあハワイでの仕事は何だかんだで俺らも良い思い出になったんだけどね。
 実はここからが大変だったんだ。」

===2015年9月side nino===

それは、リーダーの個展の第2弾が無事に幕を閉じた直後の出来事だった。
「え?車降りたところで週刊○○に直撃された?」
「うん・・・ゴメン。」
「いや、別にツーショット撮られたとかじゃないしさ、謝んなくてもいいんだけど。」
「でも・・・」
「でも何?」
「その記者、ずっと俺らの事張ってたみたいでさ・・・」
「え?それ、ホントに?」
「う、うん。」
「マズいじゃん。」
「マズいな。」
「どーすんの?」
「どうしよう。」
「とにかく幹部に報告しないと。」
「そうだな。ユリーさんならなんとかしてくれるよね?」
「ねえ、どう説明する?俺達の事・・・」
「いや・・・別に仲の良いメンバー同士で時々泊まってるって言えば済むんじゃないの?」
「もうさ・・・俺もあなたもアラサーだよ?いい年したオジサン二人がお泊りし合うって
 無理有るでしょ?」
「それじゃ、何て言うつもりだよ?」
「もう認めて貰おうよ。付き合う事。」
「無理だよ!」
「無理も何も、もう週刊誌出ちゃったら全て言い訳にしかならないよ。」

リーダーが某有名週刊誌に直撃を食らった。
絶体絶命のピンチだった。
俺達はその翌日、早速幹部に呼び出された。

「ユリーさん、今まで黙っててごめんなさい。」

俺とリーダーはデビュー当時から面倒を見てくれてるユリーさんの目の前で
二人で土下座して謝った。

つづく

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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