暗闇の天使達 最終話

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暗闇の天使達

最終話

 

 

 

 

===2025年side nino===

そして五十嵐の解散ライブが終わり、その直後にリーダーは本当にアメリカに行ってしまった。
本当は何度も話し合う時間は有った。それなのに、俺は意地になってたのもあるけど
アメリカ行きの話に一切自分から触れることはなかった。
もうリーダーは俺には何の未練も無いんだって思い込んでたから、勝手にしてくれ、とまで思ってた。
そうは言っても、実際に会えなくなってしまった俺はというと、素直に行くなって言えなかった自分に
ほとほと嫌気を感じて自己嫌悪に陥り、仕事から戻れば寝る間際まで一人で深酒、という毎日を繰り返す。
そんな日々を送っていたら、次第に衰弱して仕事中に倒れてしまい、緊急入院という事態にまで陥ってしまった。
そこへ見舞に来てくれたのが翔さんだった。
「ニノ、大丈夫か?」
「あっ、翔さん・・・忙しいのにわざわざ来てくれたんだ?」
「マネージャーからニノが倒れたって聞いてビックリしてさ。過労が原因?」
「あ、うん・・・ちょっと不摂生が続いちゃって。」
「ちゃんと飯は食ってんの?随分痩せたよね?」
「そう・・・かな?」
「何か悩んでる?」
「えっ?」
「それってさ、もしかしなくても大野さん?」
「な、何の事?」
「もう隠さなくてもいいよ。俺は知ってたよ、二人の事。好きなんでしょ?」
「あ、あんな人・・・もう、どうでもいいですよ。」
「素直じゃないなぁ。追い掛けて行けばいいじゃん。」
「えっ?嫌ですよ。何で俺が・・・」
「大野さんだって待ってると思うよ。」
「は?だって俺はあの人に捨てられたんですよ。」
「捨てられた?ハハハッ・・・そりゃ思い込みもいいところだよ。俺さ、あの人がアメリカに行く前に、実は一度二人で飲みに行ったんだよ。
ニノは多分色々と誤解してると思う。」
「ご、誤解って・・・」
「大野さんはニノへの愛情はこれっぽっちも変わらないんだよ。」
「そ、それじゃどうして一人でアメリカになんて・・・」
「大野さん言ってたけど、離島で暮らしてた時からずっと自分のせいでニノに嘘の結婚をさせたと思い込んでたんだよ。
ニノばかりが辛い目にあって、俺は何もしてあげられなくて・・・
自分なんかと居ても、ニノは幸せになれないかもって・・・そう言ってた。
勿論、そんなことないでしょって、俺も必死で引き留めたんだけどね。
自分が離れる事で、この先ニノに幾らでも自分なんかより幸せにしてくれる人が現れるんじゃないかって。
だからさ・・・あの人、自分に自信ないだけで、ニノの事は嫌いになったとかじゃ無いんだよ。
納得いかないのは分かるけど、本当の事は知っておいた方が良いと思って。」
「うそ?あの人そんな事言ったの?」
「フフフッ、まぁ相当飲ませたからポロッと出ちゃったって感じだけどね。」
「何なんだよ、そんな自分勝手な・・・」
「自分から綺麗に身を引いたと思ってるだろうけど、大野さんは大野さんで寂しさと闘ってると思うけど?」
「もう!バカじゃないの?」
「フフッ、そこがあの人の良い所じゃないの?違う?」
「翔さん・・・」
「二人がそんな前から付き合ってたなんて、実際大野さんの口から聞いた時は驚いたけど、
ニノの結婚には何か裏が有るとは思ってたから 話を聞いたらなるほどなぁって納得出来たっていうか、安心したっていうか・・・
もうさ、俺がこんな事言うのもなんだけど、二人には幸せになって欲しいわけよ。
ここまでして育んで来た事なんだもん。よっぽどじゃん?世間はどう思うか知んないけど、俺は羨ましいよ。」
「翔さん、俺・・・」
「もう自分を押し殺して人生諦めたりする必要ないんじゃない?五十嵐だって何だかんだ言っても温かく見送って貰えたんだ。
これからはお互いに自分たちの幸せだけを考えたって罰は当たらないと思うよ。行ってきなよ、ニノ・・・」
「う、うん・・・」
翔さんの言葉が心に沁みた。俺は頷きながら号泣して、翔さんは優しく背中を摩ってくれた。

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「俺と潤くんも2人がそんな前から付き合ってる事は知らなくて、後から全てを聞いた時は
本当に驚いたんだけどね・・・」
「流石櫻井くんって感じだね。それから二宮くんはアメリカに?」
「うん・・・スポンサーとの契約までは日本に居たんだけどね、それから全く姿見なくなったから
多分リーダーの後を追ってアメリカに渡ったんだと思うけど・・・」
「そうか・・・そんな事が有ったんだなぁ。国内じゃ、元アイドルともなると同性愛と言ってもなかなか周りに受け入れて貰えなかっただろうし
アメリカでひっそり暮らすのが正解だったかもしれないな。」
「あれから誰も二人に連絡取ってる訳じゃ無いから、実際はどうなのか全く分からないんだけどね。
俺は今でもあの二人は何処かでイチャイチャ仲良くやってるって信じてるよ。っていうか、そうであって欲しいなぁって思ってる。」

相葉くんはそう言って懐かしそうにテーブルの上に置いてたタブレットに手を伸ばすと
仲睦まじく五十嵐の5人で肩組んでる画像に目を細めた。

THE END

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投稿者: 蒼ミモザ

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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2件のコメント

  1. おひさしぶりです。

    (コメントがうまく反映されるか…試行錯誤してます、反映されるか…)

    書いてくれてありがとうございます!
    こんなお話求めていました!
    こうだったらいいな、って考えていた大野君とにのちゃんでした。

    大宮小説ブロガーさんの皆さんが続々と去られてしまって寂しかったのですが、めーぷるさんはこちらでお元気そうで(ではないかもしれませんが)嬉しいです。
    やはりめーぷるさんのお話最高ですー
    d(> < )!

    1. みゆさん、お久しぶりです(*’ω’*)

      みゆさんもお元気そうで良かったです。
      コメント嬉しいです。ありがとうございます☆
      みゆさん、今回衝撃だったと思いますが、大丈夫でしたか??
      わたしは正直かなり揺れ動いてまして、このお話も途中何度もくじけそうになりながら
      かなりスローペースにはなりましたが、何とかラストまで書き上げる事が出来た次第です(;´Д`)
      大宮小説ブロガーさん、ブログを閉じてらっしゃる方が続出ですか・・・辛いですね。
      だけど、そのお気持ちも痛い程分かります。
      みゆさんのように、前ブログからずっとお付き合い下さってる方も何人かいらして下さってるんですが
      私みたいな素人妄想作家の拙いお話でも、少しでも癒されるというお声を掛けて下さると
      現実はどうであれ、頭の中で妄想する分は自由だと思うので、ここが少しでも現実逃避出来る場所だと思って頂けるのなら
      それは書き手にとってはこの上なく幸せな事なので、バカバカしくてもBL続けていけたらなぁって思います。
      また良かったら覗いて下さいませ(o_ _)o))

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