暗闇の天使達

暗闇の天使達 8

暗闇の天使達

第8話

 

 

===2017年夏 satoshi===

 

「待って!リーダー、言ったって無理だよ!」
「何でだよ?幾ら何でもこれはちょっと酷過ぎるだろう。」
「リーダーが怒るのも分かるよ。でも、待ってってば。」
「お前はこんな記事を立て続けに書かれても平気なのか?
俺の時は何て言った?」
「勿論平気じゃないですよ。でも・・・あなたの時とは全然状況が違うんです。」
「違うってもんじゃなねえよ。何だよ、これ。完全にこの記事はお前が相手に熱上げてるみたいだし
もうそういう風に世間に思われるように仕組まれてるじゃん!実際ニノはこの相手とは面識すらないのに。」
「もうあなたも聞いてるから知ってるでしょ?この人の不倫相手、バレたら相当マズいらしいの。」
「でも、そんなのニノには関係ないじゃん。やっぱり黙って見過ごせないよ。
おいら社長に直接話してくる。」
「リーダー、いいから俺の話を聞いて。」
「ダメだ。大体、この記事を読んでどんだけのファンが不安を抱いてると思ってるんだ?」
「それでも良いんだよ。」
「はっ?ニノ、どうしちゃったんだよ?頭大丈夫か?」
「俺は会社と契約を交わしたんだ。」
「契約?」
「そう。契約・・・」
「ど、どんな?」
「ようはさ、会社はあの女を押し付けられた訳よ。うちのタレントの誰かと熱愛関係にすれば
その政界のオッサンとの不倫騒動から話題を逸らすことが出来るから。
しかも、結婚も視野に入れてますって噂が流れたら、完全にオッサンの立場は守られる。
だけど、そのタレントはある程度世間が動揺するくらいの影響力が無いと駄目だから
俺達の5人の誰かにしようとは話し合いが持たれてたみたいなの。
そりゃ誰もそんな役を引き受けたい人なんていやしないよね。
それぞれに大切なファンを抱えてるわけだしさ。まあ、そんな最悪のタイミングで
俺が週刊誌に直撃受けちゃって、ラッキーなんだかアンラッキーなんだかって感じだけど。」
「だからって、何でニノがそこまで引き受けなきゃなんないんだ?」
「丁度良いかと思って。」
「えっ?」
「会社が顔色を変えて困ってるんだよ。こんなチャンスは滅多にないよ。」
「は?」
「俺ね、こっちから条件出して交渉を持ち掛けてみたの。」
「なんて・・・?」
「その役、俺が受けてやってもいいですよって。その代わり、大野さんとこのまま
交際を認めてくれって。却下されるの覚悟で言ってみたんだけど・・・
案外一つ返事でOK貰えたんで。」
「ま、マジか?騙されてんじゃないの?」
「最初はめちゃくちゃお金とか仕事とかで引き受けさせようとしたんだ。
俺はそんなもの一切要らないから、こっちの条件は一つだけだって・・・
そう言ったら流石に驚いてはいたけどね。」
「そ、それならその役は俺が・・・」
「あなたは前回の事で会見までさせられてボロボロだったじゃない?
この先、猛バッシング浴びるのは確定してる。それはあなたの時とは
比較にならないんですよ。それに耐えられるメンタルを持ち合わせてるようには
俺には見えないけど。」
「だって、それじゃニノが今度はボロボロに・・・」
「俺はならないですよ。」
「そんなの分かんないじゃん!」
「俺は、どんな目にあってもいいの。俺が守りたいのはあなたとの関係。ただそれだけ。」
「ニノ・・・」
「これから表向きはあなたとはただの仕事仲間です。
だけど、20周年のイベント終わったら俺の好きなようにしてもいいって・・・
だから、俺は何が何でもこの役を役者として全うするって決めたんだ。」
「何もそこまでしなくたって・・・」
「あなた、俺との関係を切りたいの?どのみち2020年まで我慢するって言ってたよね?」
「そりゃ、そうだけど・・・でも・・・」
「何も約束無しでこのまま2020年を終えた時、会社が本当に俺達を自由にしてくれるかって話だよ。
俺は口約束なんて信用できない。今回みたいに、会社のピンチに協力して契約として交わす事で
しっかりとした道が見えて来るんだと思ってる。これはビジネスですよ。」
「それにしても何で俺に相談もしてくんなかったの?」
「相談したところで、あなたは止めてたでしょ?」
「そ、そりゃそうだけど。」
確かにニノの言う通りではあるけれど、それでも俺はニノにそんな酷い芝居をさせてまで
関係を続けてもいいものなんだろうかと、この話し合いの後暫く自問自答を繰り返してた。

 

 

 

つづく

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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