鍵のかかった部屋 大宮編

鍵のかかった部屋 大宮編 12

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鍵のかかった部屋 大宮編

第12話

 

 

「何で僕がカレー好きな事を知ってるんですか?」
「えっ?」

榎本さんが食卓に並んだ料理見て突然そんな事を聞いてきた。

「榎本さん、カレー好物なの?」
「はい。カレーなら毎日でも食べれます。それほど好きです。」
「へえ・・・そうなんだね?良かったぁ。俺そんなに料理のレパートリーが
多い方じゃないんで、何にしようか凄く悩んだの。」
「偶然・・・ですか?」
「そ、偶然よ。」
「しかもこのノーマルで家庭的なカレーが僕は一番好きなんです。」
「いや・・・むしろこれしか俺は作れないから。」
「それじゃ、遠慮なく頂きます。」
「どうぞ。いっぱい食べて。」

榎本さんはひと言も喋らずに黙々と俺が作ったカレーライスを食べ始めた。

「・・・どう?お味は?」
「凄く美味しいです。」
「良かったぁ。」
「ところで二宮さんは今日は何をされてたんですか?」
「えっ?俺?とくには何もしてないかな。昼間暇だからテレビ観て
ちょっとだけゲームして。どうして?」
「いえ。二宮さんはお休みの日は何をされてるのかと思って。」
「へえ。少しは俺に興味湧いてきた?」
「えっ?」
「だって榎本さん言ってたじゃない。人に興味がないって。」
「基本はそうですね。」
「でも俺が何してたか気になったんでしょ?」
「え、ええ。まぁ・・・」

榎本さんは恥かしかったのか?突然立ち上がって
リビングのテーブルの上に置いてた眼鏡を取りに行くと
それをいつものように掛けて食卓へ戻って来た。

「榎本さんさぁ・・・視力悪いの?」
「ええ・・・」
「コンタクトにすればいいのに。」
「どうしてでしょうか?」
「眼鏡外した方が絶対イケメンだと思うけど。」
「人をからかうのもいい加減にして下さい。」
「からかってなんかいないよ。本当の事だから言ってるのに。」
「眼鏡は・・・僕の身体の一部みたいなものなので
今更人に何を言われたからといって変える気は有りませんよ。」
「ふうん・・・ねぇ?一つ聞いてもいい?」
「何でしょう?」
「どうして急に俺の事をここに泊めてくれる気になったの?」
「それは・・・先日も言いましたよね?」
「うん、俺が野宿して病気にでもなったら責任が負えないから・・・
だったよね?」
「そうです。」
「本当にそれだけ?」
「えっ?」
「だって、言うても見ず知らずの他人だよ?そんな人間を
家の中に上げるのって結構抵抗有ると思うんだよね。」
「本当、仰る通りですね。うーん、何だろう?二宮さんって、
初めてお会いした気がしないんですよね。」
「あっ!分かる、分かる、それ俺もだよ。」
「そ、そうなんですか?」
「きっと俺達さ、前世で兄弟?あ、いや、恋人とかだったかもよ?」
「・・・恋人?」

榎本さんはプーッと噴き出して笑い出した。

「あははははっ。二宮さんって、ホント発想が面白いですよね・・・」
「面白い?俺は結構真剣にそう思ってるんだけど・・・」
「ああ・・・すみません。だけど可笑しくて・・・」
「だってそう考えるとこれって凄くロマンチックだと思わない?」
「ふふふっ・・・」
「完全にツボに入っちゃってるじゃん!」
「はははっ・・・」
「ま、いいけど。俺が頭イカレちゃってるんでしょ?どぉーせ。」
「いえ・・・ただ、意外とロマンチストな方なんだなぁって思って。」
「意外とは余計。」
「あっ、すみません。でも・・・その考え方、まんざらデタラメや
妄想とも言い切れませんよ。」
「え?」
「人の出会いなんて偶然だけでは無いって、実は僕も以前から思ってて
きっと生まれる前からその人と出会う事は決まってたりするんじゃ
ないかって思ったりすることは有ります。」
「ねっ、やっぱりそう思うでしょ?」
「ええ。でもそれが兄弟や恋人だったかどうかということまでは
僕にも分かりませんけど。」
「うん、それはあくまでも俺の願望だけどね。」
「願望・・・?」
「そう、だって前世で約束とかしてたかもしんないんだよ?」
「約束?」
「うん、後世で絶対また逢おうねって・・・
そう考えたら何か感動的じゃない?」

これも俺は真剣に話してるつもりなんだけど
榎本さんはカレーを食べながらまたドツボに嵌って
クスクスと笑いが止まらなくなった。
俺はそんな榎本さんを見てプゥーッと頬っぺたを膨らませて
不機嫌を露にしてみせた。

 

 

つづく

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蒼ミモザ

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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