鍵のかかった部屋 大宮編

鍵のかかった部屋 大宮編 16

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鍵のかかった部屋 大宮編

第16話

 

 

ピピピッ・・・

「37度5分かぁ。まだ微熱は有るなぁ。」
「でもかなり昨日よりは楽になりましたよ。それもこれも
二宮さんの献身的な看病のお陰です。」
「俺、もう仕事に行かなきゃなんだ。榎本さん、
コンロの上のお鍋にお粥作っといたから
食欲が戻ったら、悪いけど自分で温めて食べて。
今日はなるべく早く戻るから、ちゃんと寝てなきゃ駄目だからね。」
「・・・はい。でも、もうご心配は要りませんよ。
通常通り仕事はされて下さい。」
「とにかく、絶対無理しちゃ駄目だからね。
ホント、言っとくけど風邪を舐めてると痛い目に遭うよ!」
「んふふ・・・分かりました。いってらっしゃい。」
「いってきまーす。」

37度5分はまだ完全に治った訳じゃ無い。
一旦落ち着いてるけど、油断すればいつまた
高熱が出るかも分かんないんだ。
出来ることなら、お粥だって俺がフーフーして
榎本さんに食べさせてやりたかったのに。
榎本さんの病状が凄く心配だし気掛かりだったけど、
平日仕事を休むわけにもいかない。
俺はとりあえず通常通り会社に出勤して
夕方の定刻迄キッチリ働いて、終業時間になったら
何処にも寄らずに真っ直ぐに榎本さんの所に戻った。
ところが・・・

「ただいまぁ。榎本さん、具合はどう?」

そう言いながら寝室に直接向かうも
榎本さんの姿は何処にも見当たらなかった。

「あれほど大人しく寝てろって言ったのに
 あんな身体で一体何処に行っちゃったんだろう。」

俺は直ぐさま榎本さんの携帯に電話を掛けた。

「お掛けになった電話は、現在お繋ぎできません。
留守番電話サービスにお繋ぎします。御用の有る方は・・・」

まさか・・・体調が急変して病院に運ばれたとか?
何だか凄い胸騒ぎがして、俺は以前貰ってた名刺に記された
弁護士事務所に直接電話を入れた。

「はい。芹沢弁護士事務所ですが。」
「あっ、すみません。そちらに榎本って人が居ますよね?」
「榎本・・・?ああ、榎本径さんですね?失礼ですがあなたは?」
「あ、二宮って言います。榎本さんの知り合いです。」
「ちょっとお待ちくださいね。」

え?榎本さん、まさか仕事に出てるの?

「もしもし?お電話代わりました。青砥ですが・・・」
「あっ、あの、二宮です。」
「あーっ!二宮さん!私です。分かりますか?」
「もしかしてこの前の?」
「そうそう、榎本さんちでお会いした。」
「あの、榎本さんは今日は通常通り仕事出てるんですか?」
「いえ。今日は午後から大きな事件が有って、
芹沢先生と現場にお出掛けになってますが。どうかされましたか?」
「あの人夕べから高熱出してダウンしてたんです。」
「えええっ?それ本当ですか?」
「今直ぐ帰る様に伝えて下さい。」
「そ、それは・・・無理かも。」
「ど、どうして?」
「榎本さん、仕事のスイッチ入っちゃうと誰の言う事も聞かないと思います。」
「何言ってるの?倒れちゃったらどうするんだよ?」
「そ、そうですよね。」
「何処なの?」
「えっ?」
「その現場って何処なのか聞いてるの。」
「あ、いやぁ・・・部外者の方に教える事は・・・」
「それじゃ、勿論あなた責任取ってくれるよね?」
「ええっ?せ、責任って言われても・・・」
「榎本さんが倒れて大変な事になったら、あなたのせいだからね?」
「そ、そんな・・・」
「いいから早く教えて!俺があの人に縄付けても連れて帰るんだから。」
「わ、分かりましたよ・・・それじゃ、今から直ぐにこちらに
出て来られます?私が現場までご案内しますんで。」
「うん、直ぐ行くから待ってて!」

俺は電話を切ると、直ぐにその弁護士事務所へと向かった。

 

つづく

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蒼ミモザ

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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