鍵のかかった部屋 大宮編

鍵のかかった部屋 大宮編 6

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鍵のかかった部屋 大宮編

第6話

 

 

イヤホンから聞こえてきたその声に
俺は思わず吹いてしまった。
へえ・・・
あの人もこういうエロ動画とか観るんだ?
何処からどう見てもヲタクの堅物にしか見えないんだけど。
こういうのに興味が有るなんてホント意外だった。
まぁ、そりゃあね、榎本さんだって男だから当然と言えば当然かもしんないけど。
初めはちょっと性格合わなそうとか先入観だけで
毛嫌いしてたところもあるけど、
彼に人間らしいところを発見出来た気がして
ちょっぴりだけど嬉しくなった。
それから暫くニヤニヤが止まんなくて
あれこれ考え事とかしてたけど、
いつの間にかそのまま眠ってしまった。

そして、朝になった事にも気付かないほど
俺はぐっすりと眠ってた。
そしてセットしてたスマホのアラーム音で目を覚ました。
暫く寝惚けてたけど、何時もと違う部屋の様子見て
夕べの出来事を思い出した。

「そっかぁ・・・ここ榎本さんちだった・・・」
「おはようございます。」
「あ、おはようございます。夕べはすみませんでした。」
「よく眠れましたか?」
「はい、お陰様でぐっすり・・・」
「それは良かったです。」
「こんな早くから何してるの?」

榎本さんは何時からそこに居たのか?
テーブルの上のパソコンを開き、イヤホンを着けて
難しい顔して画面に向かってた。
昨日の続きを見てる?
俺は急にあの卑猥な動画の事を思い出した。

「榎本さんもああいうの好きなんだ?」
「えっ?ああいうの・・・?」
「ゴメン、音が漏れてたから気になって眠れなかったの。
悪いとは思ったんだけど、夕べちょっとだけそれ聞いちゃったんだよね。」
「え?音?・・・あっ、まさか・・・これ聞かれたんですか?」

めちゃめちゃおっかない顔で睨まれた。

「べつに恥ずかしがることないよ。男だもん、俺だってたまに観るよ。
そういった類の動画・・・」
「あの・・・勘違いしないで下さい。」
「フフフッ・・・え?」
「これは仕事なんです。」
「仕事?」
「はい。」

一体どんな仕事してんだよ?
まさかエロ動画の監督とか言わないよな?
弁護士の事務所に勤めてるんじゃなかったの?

「それに、これは動画とかじゃ無いですよ。」
「またまたぁ。」
「本当です。あなたが聞いたのはリアルタイムのラブホテルでの様子です。」
「はっ?リアルタイム?」
「そうです。」
「待ってよ。それって・・・」
「昨日の昼間に盗聴器を仕掛けて来たんです。」
「盗聴器?」

そ、それってヤバいやつじゃん。
この人って一体何者?

「そ、そういう趣味が有るの?」
「だから・・・勘違いしないでってさっきから言ってるでしょう?」
「だって・・・」
「僕は弁護士から依頼を受けて仕事してるだけです。」
「ラブホテル?」
「今回、浮気の証拠が必要だったのでホテルに協力頂き
盗聴器を仕込んで来たんです。」
「あ・・・浮気の調査ね。」

それでもまだ信じられなくて
俺は榎本さんに疑いの眼差しを送った。

「安心して下さい。僕はそう言った類の事には
全くと言っていいほど興味が無いんで・・・」
「いやいやいや・・・確かにそういう風にも見えなくはないけど
逆に心配になるでしょ。どう考えたって。」
「どうしてですか?」
「健全な成人男性がそっちに興味ないなんて有り得ないでしょ。」
「そういうのに興味を示さなくても死にはしませんから。」
「榎本さん?」
「何でしょうか?」
「キスとかしたこと有る?」
「必要性の無い質問にはお答えできません。」
「エッチは?」
「お答えできません。」
「ウフフフッ・・・」
「二宮さん?そろそろお仕事に行かれる時間なのでは?」
「あああっ!やっば!遅刻しちゃう。
あ、ありがと。それじゃ俺行って来ます。」
「あっ、二宮さん?」
「えっ?」
「今夜は・・・」
「は?」
「今夜はどうされますか?」
「今夜・・・?」
「また犯人が現れるかも知れませんよ?」
「そっか・・・どうしよう・・・」
「なんなら・・・うちに・・・泊まられても良いですよ。」
「え?」
「この部屋でも良ければ、の話ですが・・・」
「ホントに?」
「ええ。」
「あ、ありがとう。榎本さんって何て良い人なの?」

俺はあんまり嬉しくて榎本さんの両手を握り締めた。

「お帰りの際は一応携帯にご連絡をください。
出掛けてるといけないんで・・・」

榎本さんは俺から視線を逸らすように横を向いて
そう俺に言った。

「うん、分かった。必ず電話するね。それじゃ行って来まーす。」
「い、いってらっしゃい///」

やった!野宿は免れられそうだ。
榎本さんは時間掛けて話せば意外と仲良くなれそうな気がする。
もう少し仲良くなれば、鍵に掛かる代金とかも
お友達価格とか言って値引きとかしてくれそう。
さっきはあんな事言ってたけど、エッチに興味のない男なんて
この世に存在するものか。
今夜は酒でも買って帰って一緒に飲んだりしてみようかな・・・
結構別の顔見せてくれたりしてね。

 

つづく

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蒼ミモザ

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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