ラブソングは君と,  最終章

ラブソングは君と④

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最終章

ラブソングは君と④

 

 

ニノの居る別館へ着いた俺は、玄関から中の様子を伺った。ニノはとりあえず姿が見えないから、今のうちにと慌ててフロントに向かった。

「いらっしゃいませ。お客様はご予約でいらっしゃいますか?」

「あ、違うけど、部屋空いてるかな?」

「お一人様でいらっしゃいますよね?」

「うん・・・どんな部屋でも構わないんだけど・・・」

「あ、丁度キャンセルのお電話が入ったところです。お部屋ご用意出来ますが。」

「ホント?良かった。」

「こちらにサインをお願いします。」

「あ、ああ・・・」

俺は自分の名前は使わずに、ここは翔君の名前を使わせて貰うことにした。何故ならば、ニノが見て俺だと分かったら逃げる可能性が有ると思ったから。

「櫻井様ですね・・・お部屋にご案内します。どうぞ、こちらです。」

俺は従業員に案内されて部屋に通された。

「こちらでございます。お夕食は18時からご用意出来ますが・・・」

「あ、うん。お願いします。」

「それでは、何か有りましたらフロントまでお申し付け下さいませ。」

「ありがと・・・」

さてと・・・まともに会いに来たとか言っても、絶対に会ってはくれないんだろうな。俺は暫く考えると、ちょっと意地悪な秘策に出る事にした。

フロントに電話をして、支配人であるニノを部屋に呼び出す。しかもあたかもサービスにケチ付けるクレーマーのフリをする。

「もしもし?あ、支配人は?大至急、部屋によこして。一体ここのサービスどうなってんの?」

「お客様?何が不具合な事がございましたでしょうか?」

「あんたじゃ話になんないよ。いいから直ぐにここの責任者呼んで。」

「わ、分かりました。」

うまくいった。これで後はニノを待つばかりだ。その電話を掛けてから間もなくニノが俺の部屋に姿を現した。

「櫻井様・・・お呼びでしょうか?失礼します。」

俺は入り口から見えない場所に身を隠した。そしてニノが部屋に入ったのを確認すると、ニノに分からないようにそーっと背後から近付いてギューッと包み込むように彼の身体を抱き締めた。

「うわっ・・・はっ、離して!」

ニノがまだ俺とは気付かずに腕の中でアタフタしてる。

「ニノ・・・」

「え?」

俺はここで自分で有る事をニノに気付かせた。ニノはビックリした様子で俺の方を振り返ろうとするけど、俺は抱き締めた腕を緩めない。

「はっ、離してっ・・・」

「嫌だ!誰が離すもんか!」

「酷いよ、騙したな?」

「騙したのはそっちでしょ?」

「・・・え?なんのこと?」

「しらばっくれんなよ。」

「もう、分かったから離してってば・・・」

「離したら逃げるつもりだろ?」

「逃げないって・・・」

「本当に?」

「約束する。」

俺は抱き締めてたその腕を緩めた。そしたら案の定、言ってる傍から逃げ出そうとするから、俺はニノの腕を慌てて捕まえてそのままひょいっと身体を抱き上げて奥の部屋に連れてった。

「何すんの?下ろして!」

「今約束したばっかりだろ?何で逃げ出そうとしてんの?」

「逃げたわけじゃないよ。ちょっと用事を思い出したから・・・」

「ああ言えばこう言いやがって!」

俺は敷かれた布団の上にニノを下ろして馬乗りになって両手の自由を奪い、そのまま強引に口づけた。キスすりゃ分かんだよ、心の中だって丸裸に出来る。

本当はニノだって、我慢してたんだ。その証拠に、最初は抵抗しようとして見せたけど、数秒後にはニノも自然に身体から力が抜けてくのがわかった。

「っん・・・んはっ・・・んんっ・・・」

口先でどれだけの嘘を付こうとも、身体は正直なんだ。俺達に今必要なのは、取り繕った言葉でも何でもない。

ただ、素直に愛し合う事なんだ。俺はそのままそっとニノの首筋に唇を這わせた。

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

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蒼ミモザ

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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