ラブソングは君と,  第6章

間違いだらけの選択⑤

第6章

間違いだらけの選択⑤

 

「おーのさん・・・大丈夫?」

「・・・」

「おーのさん」

今にも泣きそうな声。ニノが俺の事を心配してくれてる。やっぱりニノはまだ俺のこと・・・

「んっ・・・ニ、ニノ?」

俺はいかにも驚いたフリをして飛び起きた。

「駄目だよ!寝てなきゃ!」

ニノは起き上がろうとした俺の肩を抑えて俺をベッドに押し倒した。

「お医者には診せたの?」

「え?う、うん・・・」

「何て?」

「あ、その・・・た、大したことないらしい・・・」

「大した事ないのに1週間も寝込むわけないでしょ?何処だよ?そのやぶ医者!俺が別の病院連れてく。」

「ま、待ってよ。落ち着けよ。ホント大したことないんだ。大丈夫だから。」

「ちゃんとご飯とか食べてたの?」

「え?あ、ここんところくなの食ってない・・・かな。」

「そんなことだろうと思った。待ってて。今消化のいいもの作ってあげるから。」

「あっ、ニノ?」

「何?」

「も、戻って来てくれたの?」

「今はそんな話してる場合じゃないよ。とにかくまともな飯が先です。」

ニノはそう言って、さっさとキッチンの方へと移動してしまった。ニノの方こそちょっと痩せた?ここ最近忙しくなったからかな?俺と居た頃はもう少しふっくらとしてた気がするけど。

そんなことより、ニノが自分の事を心配してくれて、ここに今戻って来てくれたことだけでも嬉しくて胸が一杯になった。

本当はどこも悪くないし、今直ぐにでも飛び起きてキッチンまで行きたいけど、ここで仮病がバレて怒らせたりしたら元も子もない。俺はグッと我慢してそのまま布団に入って大人しくニノが再び寝室に現れるのを待った。

すると暫くすると、飯の準備をしてニノが寝室に戻って来た。

「おーのさん、起きれます?」

「う、うん・・・」

「ご飯出来たんで、起きれなかったらここに運びますけど。」

「い、いや、大丈夫。何とか起きれそう。」

久々ニノの手料理を食えると思っただけで嬉しくて泣きそうなんだけど、ここまでしてくれるのは、それは俺があくまでも病気だと思ってるからであって、万が一嘘がバレでもたら逆に修復が難しくなることは目に見えてる。何が有っても見抜かれないようにしないとって思いながら、いかにも病人らしくフラフラとダイニングへと移動した。

「うわぁ、美味そう・・・」

「美味しいかどうかは分からないけど、栄養は十分採れますよ。」

テーブルの上にはニノの愛情たっぷりの煮込みうどんと野菜の和え物が並んでた。だけど、並んでるのはどう見ても1人前だけ。

「あ、あれ?ニノは食べないの?」

「思ったより元気そうなんで、俺は帰ります。」

「えっ・・・待って。おいら全然元気なんかじゃ・・・」

「松本さんがおーのさんが死にそうだからって言うから見に来たんですけど、そこまでないみたいだし。」

「し、死にそうは、オーバーなんだよ。せっかく来てくれたのに・・・まだ帰るなんて言わないでよ。」

ニノは仕方ないといった表情で俺の目の前の椅子に腰を下ろした。

「それじゃ、いただきまーす。・・・あぁ、これめっちゃ美味いよ。」

「そうですか?そりゃよかった。」

「ニノは・・・元気そうだな。」

「そうかな?そうでもないよ・・・」

「雑誌、観たよ。仕事順調そうで良かったね。」

「うん・・・お陰様で。ねぇ、それ食べたら本当に別のお医者行きましょう。俺が車乗せてくんで。」

「あ、いや・・・ニノがずっとここに居てくれれば、病気なんて直ぐに治るんだけどな。」

「えっ?」

「ゴメンね。本当においらが悪かったよ。もう結婚が嫌なら無理にしなくていいし、ただ恋人のまんまがいいなら、それでも十分だよ。もう二度と出ていけなんて言わないって約束する!だから・・・またやり直せないかな?戻って来てくんないかな?」

「おーのさん・・・」

ニノの瞳がウルウルに潤んで揺れた。けど、ニノは首を縦には振ってくれなかった。

「ど、どうして?もうおいらのこと嫌いか?」

ニノの頬に大粒の涙が溢れ、その言葉に対しては大きく首を左右に振った。

「ゴメンね・・・おーのさん。でも、俺はもう二度とここへは戻らない。そう決めたの。」

「なっ、何で?」

俺はニノのその一言に納得がいかずその場を立ち上がった。

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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