真夜中の虹 23

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真夜中の虹 23

 

相葉さんからの電話の内容が気になりながらも、俺はとりあえず仕事に出掛けた。

「おはようございます。」

「あ、おはよう。あれからどうだった?大野さん、仕事の説明とかちゃんとしてくれた?」

「いや、昨日は小太郎の散歩くらいしかさせて貰えなかったです。」

「マジで?もう・・・あの人新しいマネージャー付けるといつもそうなんだよ。」

「あの?聞いてもいいですか?」

「うん、何?」

「大野さんのマネージャーって俺で何人目ですか?」

「俺を含めて6人目だよ。」

「そ、そんなに?」

「そうなんだよねぇ。あの人優しすぎるのよ。」

櫻井さんはそう言って大きな溜息をついた。

「松本さんも似た様なこと言ってました。」

「松本君にあったんだ?」

「たまたま小太郎の散歩してたら鉢合わせしちゃって。」

「そうか。」

「あの人は大野さんのプロデュースしてるそうですね。」

「うん。そうか、彼の事も紹介しておこうと思ってたんだけど、面識があるならその必要はなさそうだな。」

「大野さんが優しいから、マネージャーが皆勘違いするって言ってました。」

「そうなんだよ。数日しか続かなかった人もいるし、長くて半年くらいかな。恋愛感情に走っちゃってね・・・」

「えーっと、皆さん男ですか?」

「いやいや、二人は女の子。」

「へぇ。」

「あの、くれぐれも言っておくけど、大野さんは誰にでも優しいから勘違いしないでね?」

「あ・・・フフッ、俺の事は大丈夫ですよ。」

「うん。顔見知りだったみたいだから今更勘違いなんてしないだろうけど。結局最後はみんなダイレクトに告白して断られて辞めてくんだよ。」

「ふうん。大野さんってモテモテなんですね。だけど、大野さんがやる気出ない理由は誰かにフラれたからだと聞きましたけど?」

俺はあからさまに櫻井さんでしょ?って下から顔を覗き込んだ。

「え?は?な、何?」

「いえ、別に・・・」

「大野さんがフラれたって話は初耳だけど。それも松本君情報?」

えっ?あなたが振ったんじゃないのかよ?

「ええ。」

「俺も大野さんとは付き合い長いけど、ここ最近恋人居るって話は聞いたことがないけどな。」

もしかして・・・この人も鈍いの?

「俺は櫻井さんが振ったのかと思ってました。」

「えええっ?何それ?ないないない。」

櫻井さんは恋愛関係については真っ向否定。

「あ、えっと・・・それと、大野さんの交友関係とかについてお聞きしといてもいいですか?」

「え?あー、あの人お酒好きだからプライベートではよく飲み屋とか通ってたかな。」

あ、杏奈さんの店とかね。

「それと、釣り仲間ね。」

「あぁ、それなら昨日行きました。」

「ええっ?早速???」

「はい、大野さんの元気が無かったんで、俺が誘ったんです。」

「そ、そうだったの。」

「でも、俺船酔いしちゃって結局直ぐにリタイアしましたけどね。」

「大野さん、喜んでたでしょ。今まで俺以外に釣りに付き合ってくれるマネージャーって一人も居なかったから。」

「ええ、とっても喜んでました。今日は大野さんの実家に連れてってくれるそうです。」

「実家?へえ。また随分気に入られたんだね。」

「そうなんですかね?」

「まぁ、顔見知りだったってだけでも有難かったけど、そこまで大野さんが心を許してるって分かって俺も安心だわ。」

流石にここまで話しても俺にジェラシーを感じてる素振りを見せないところみると、本当に今回は俺の直感は外れてるのかも知れない。それじゃ、大野さんを振った相手って誰?って話になる。俺が知らない第三者、それが相葉さんが言ってた事件に繋がるんだろうか?

「それじゃ、コンテストの出展の話はもう聞いてる?」

「あ、はい。」

「やる気ない人に無理やりやらせても良い作品は作れないって俺は思うけど、俺や松本君を含め周りの関係者の生活も掛かってんだよね。もう正直これが最後のチャンスだと思ってるの。だけど、周りの人間の為というより、一番は本人の為だから。出来る限り自然にサポートしてあげて欲しいんだ。」

「分かりました。俺が力になれるか分かんないですけど・・・」

相葉さんが言ってた事件の事、そしてコンテスト出展の事。どっちも簡単な話ではなさそうだ。

 

つづく

 

 

 

 

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投稿者: 蒼ミモザ

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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