ラブソングは君と,  第3章

争奪戦③

第3章

争奪戦③

 

 

 

「あれ、マジで惚れてますね。」

「えっ・・・」

「奈緒さんですよ。」

「あ、ああ・・・」

「ハッキリ言えばいいのに。」

「うん・・・」

「でも仕事で雇ってるから遠慮しちゃって言えないの?」

「うん、何ていうかさ、彼女仕事は凄く出来る子なんだよね。」

「仕事が出来る人なんて、探せばこの世の中幾らでも居ると思うけど?」

「う、うん・・・」

「新しい人材を募集したら?」

「だからさ、連休明けたらもう一人採用を考えてはいるんだ。」

「ふうん。」

「今、彼女一人だけだから、告白なんてされると思ってなくて。そうなると1対1っていうのはマズいかなって思ってさ。」

「一人増やしたところで、彼女を傍に置いて仕事続けてたら何の解決にもならないと思いますけど。」

「やっぱそうかなぁ。」

「やっぱり、ハッキリ辞めて貰うべきじゃない?」

「でも。」

「それともあなたもあの子の事を意識しちゃってるとか?」

「そ、それはないよ。」

「それにさぁ、もうあなたと私は普通の関係じゃないんですよ?困っちゃうなぁ。遊びであんなことされたら、いくら俺だって黙っちゃいませんよ。」

「あ、あんなこと?」

「そう・・・あんなこと。」

信号停車で俺の顔を覗き込んでニヤリと笑うニノ。

「さ、さっきは何もしてないって・・・」

「うん。いいましたよ。」

「だったら、何なの?あんなことって。」

「そんなに聞きたいの?」

「い、いや・・・」

「俺から直接本当のことを聞きたいなら、いつでもお話しますよ。」

「いいよ。」

「フフフフッ・・・」

俺は一番厄介な奴に弱みを握られちゃったかもしんない。ニノってちょっと何を考えてるか分かんない時がある。ただ不思議なもんで、謎な部分が多い程その相手の事がもっと知りたくなる。

「新しい人材が見つからない時は、俺が当分の間お手伝いしましょうか?」

「えっ?」

「イラスト描いてるんだよね?雑誌投稿へのPC処理くらいだったら、俺にも出来ると思いますよ。」

そうか、ニノはユーチューバーだから、WEB編集とかは得意なんだ。

「マジで?イラストの編集とかも出来る?」

「ソフトにもよりますけどね。」

「あっ、だけどモデルの仕事は?」

「その話は覚えてるの?」

「お、覚えてるよ。」

「ウフフッ。そんな、人のどうでもいいような情報は覚えてるくせに、俺に何したかは覚えてないんだ。」

「な、何だよ・・・」

その言い方。

「松本さんは良い人みたいだけど、モデルは俺がやりたい事じゃないからね。正直まだ悩んでます。」

「そこは突破口になるかもしれないって話だったじゃん。」

「それはそうなんだけど。」

「こんな話は滅多にないと思うよ。絶対やってみるべきだよ。」

「昨日もそうだったけど、随分そこを推しますね?」

「え、だってこないだみたく、デビューさせてやるとか言って騙されそうになったの知ってるから。」

「あの時のおーのさん、カッコよかったなあ。」

「ええっ?」

「暴力は良くないって、相手の手首掴んでさ。めっちゃカッコよかったよ。」

「や、やめてよ。恥ずかしいじゃん。」

「あなたのそういうところに女の子も弱いんだろうなぁ。何ていうか、普段とのギャップ?」

「だからやめてって。おいら、昔から人が困ってるの黙って見てられないたちなんだ。」

「昔から・・・?」

「そう。」

「そうなんだ。」

「そんなのどうでもいいじゃん。とにかく潤君には一度連絡してみるべきだよ。」

「あ、うん・・・でも、その前にあの子、奈緒さんは何とかしなきゃ。」

「いや、これはその、おいらの問題だから・・・」

「あなたの問題に俺を巻き込もうとしたのはあなたでしょ?」

「え?巻き込む?」

「この旅行のことも、俺はあなたに協力するように言われたから協力した。あれれ?違うの?もしかして、個人的に本当に俺と旅行に行きたかったとか?」

「あ・・・」

そうだった。忘れてた。ニノがクスクスと笑い出す。

「ゴメン、巻き込んでるな。」

「俺はおーのさんの個人的なご要望だとしても全然構いませんけど。」

「だ、だから違うって。個人的なとか、そういうんじゃないよ。」

「そう?あ、この先サービスエリア有りますけど、飲み物か何か買います?」

「そうだな。まだ1時間くらい掛かるよね?」

「1時間じゃ無理かも。」

「腹も減ったから何か軽く食べとくか?」

「了解です。」

奈緒ちゃんが居なかったら、こんな事にはなってなかったんだろうな。出会って間もないニノとの温泉旅行。

ただ、不思議とそんなに嫌じゃない。どこかで楽しんでる俺が居ることに、まだこの時はハッキリと自分で気付いていないだけだった。

 

 

つづく

 

 

 

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

2件のコメント

  • mamepontaro

    こんばんは♪
    あちらのお部屋からやって来ました!
    新しいお話お待ちしてました!

    トントン拍子に二人の関係が進んでいてこの先もめっちゃ楽しみです!

    そしてブログのデザイン変わりましたね!シンプルでとっても素敵です(*^^*)

    これからもたのしみにしております!

    • 蒼ミモザ

      mamepontaro様、こんばんは。
      あちらのお部屋から、ようこそおいで頂きました(^^)
      コメントも有難うございます☆

      こちらのサイトはカスタマイズ自由なので、現在手探りで機能を勉強しながらの更新です。
      気に入って頂けて何より(^^♪
      頑張ってお話も沢山お届けできればと思っております。
      今後とも宜しくお願いします。

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