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第1話 運命の判決

 

 

 

 

「・・・以上の状況証拠などから被告人は正当防衛に値すると判断される。よって被告人、二宮和也は無罪とする。」

それは、俺が18の誕生日を過ぎた夏。
高校3年の夏休みに起きた事件だった。
俺はネットで知り合ったゲーム友達から夏祭りに誘われ
待ち合わせの神社へと向かった。
待ち合わせ場所に現れたのは、友達ではなく見知らぬ俺と同い年くらいの男二人だった。
その男達は友達の友人だと言い、友達は急用で来られなくなったと俺に告げた。
友達から俺宛てに何か大事な物を預かってるから一緒にある場所に来て欲しい、と言われ
俺は何も疑わず、彼らに連れられて近くの物流倉庫の様な場所まで案内された。
こんな所に何を預かってるっていうんだろう?
「ほら、あそこの柱の横の箱にゲームソフトか何だか入ってるらしい。」
時間も夜の8時を回っていたから、倉庫の中は真っ暗だった。
一人の男に懐中電灯を差し出され、俺はそれを受け取って箱の有る方へ近付いた。
そして、その箱を確認しようとその場にしゃがんだ瞬間、背後から一人の男に羽交い絞めにされた。
「なっ!何するんだよ?離して!」
もう一人の男がニヤニヤといやらしい笑みを浮かべながら俺の着てる服を脱がせようとするから
俺は必死に体を捩って抵抗しようとした。
「大人しくしてな。今から気持ちいい事してやるんだから。」
「ふ、ふざけんな!変態野郎。だ、誰か!助けて!」
俺の記憶はここまで。
睡眠ガスの様なものを吹き付けたタオルで顔を覆われて俺は一瞬で意識を失った。
そして、俺が気付いた時は既に日が昇り始めてた。
俺は男達に犯されたのだろうか?全身素っ裸で、そんなことよりも驚いたのは
夕べ俺を襲った二人の男が血を流してうつ伏せになり倒れていた。
俺は携帯で119番に通報したけど、既に二人は息をしていなかった。
駆け付けた救急隊と警察に保護された俺はそのまま殺人の容疑で逮捕された。

「おめでとう。これで君の無実が証明されたね。」

俺の弁護人を引き受けてくれた松本弁護士だ。

「でも・・・俺は実際人を殺したんでしょ?」

「裁判長が正当防衛を認めたんだから、無罪は無罪だよ。
 それに君は何も覚えてないんだから、誰も君の事を責められない。
 もう全て忘れて、と言いたいところだけどそうはいかないよな。
 カウンセリングの先生を紹介するから、暫く心のケアに通うと良いよ。」

「あっ・・・そうだ。あの人に御礼を言いたいんだけど。」

「あの人?」

「うん。さっき法廷で証人台に立ってくれた人。連絡先とか教えて貰えないかな?」

「ああ・・・今回の無罪判決は彼の証言で決まったようなものだものな。
 連絡先は聞いてるけど、事件にこれ以上関わりたくないかも知れないから
 まあ、逢って話してくれるかは分からないけど・・・」

「御礼を言いたいだけなの。彼が居なかったら、無実を証明出来なかったかも知れないでしょ。」

「一応個人情報なんで、この場で直ぐには教えられないんだ。
 君に教えても良いか直接確認を取ってから連絡するよ。」

「宜しくお願いします。」

事件の現場に居たのはあの男達と俺の3人だけ。
悪戯され掛けて抵抗した後、気を失った俺があの二人を殺害出来る訳がない。
どう考えても不可解な事件だった。
だけど、状況を知ってるのはこの俺ただ一人なわけで
現場に落ちてた鈍器には俺の指紋がしっかりと残っていたらしく
被害者の男はその鈍器で頭を数回殴られ死亡したようで
俺は催眠ガスで意識が朦朧としながらも必死に抵抗して
鈍器に手を伸ばして殴り付けたという検察側の実証検問により
初公判では執行猶予付きの有罪判決を言い渡されて控訴。
弁護士の松本さんも正当防衛を強く訴えても
証人が現れなければ有罪判決は免れないと半ば諦めていたところに
一人の男性が救世主のごとく現れたんだ。
その人の証言で俺は無罪を勝ち取ったわけで
その人は俺の救世主であり恩人ってわけ。
だから御礼だけはキチンと伝えておきたかった。

およそ1年の地獄の様な取り調べと拘置所暮らしを終えて
俺は久し振りに自宅へ戻ったけど
家族は犯罪者のレッテル貼られて今までの生活は出来ないと
事件直後に父さんの田舎に引っ越してしまったから
無罪と聞いてホッとしてたみたいだけど
もう元の家には戻りたくないって、最終判決を聞いてそのまま田舎に帰って行った。
俺は祭りに誘われて、ただ出掛けてっただけなのに・・・
あの日を境に大きく人生が狂ってしまったんだ。
俺は実際何も覚えてないけど、意識が戻った時は俺も裸だったし
寧ろこの俺が被害者なのに・・・
弁護士以外は誰も俺の味方は居ないと思い知らされた。
当時高校生だった俺の同級の友達は全て進学や就職に就いてた。
事件で卒業出来なかった俺は大学受験も当然出来なくて
とりあえずアルバイトで生活をするしかなかった。

そして無罪判決から2か月後、ファーストフードのバイトを終えて
帰宅する途中で弁護士の松本さんから連絡が入った。

「もしもし?」
「あ、二宮さん。松本ですが・・・」

続く

 

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ご無沙汰しております。
新作をスタートさせましたがPCの調子が良くない為
本当に更新が不定期になるかもしれません。
ご了承下さい。    蒼ミモザ

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

2件のコメント

  • 3240

    お久し振りです。
    新しいお話ありがとう。

    弁護士、成瀬さんとおもいきや、松本さんでしたか?正当防衛で勝ち取ってよかった。
    助けた男は、誰なんだろう。(笑)

    ネットの世界って怖いですね!迂闊に会おうとすると、犯罪に巻き込まれかねない。性別偽ったり、怖い、怖い。

    続きが楽しみです

    • 蒼ミモザ

      3240様、ご無沙汰しておりました。
      こちらこそ、何時も覗いて頂きありがとうございます。

      弁護士は99.9のドラマの深山をイメージして書きました(^^)
      名前も深山にしようかと悩んだくらいですがやめました(笑)
      そうですね。大野君だと成瀬なんですが、彼を弁護士にするとお話が滑稽になる気がしまして
      今回は松本さんです。これから櫻井君、相葉くんもキャスティングに入って来ます。
      続きも頑張りますのでお付き合い宜しくお願いします。

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