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第19話 闇の中の真相

 

 

 

「ニノ、お待たせ。ゆっくりランチして来なよ。」
「あ、お帰りなさい。」
「何か変わった事なかった?」
「ううん、べつに…あっ、そうそう!あなたさぁ、櫻井さんって人を知ってる?週刊誌の編集部の人なんだけどさ。」
「週刊誌?知らない…何で?」
「そう…知らないんだ?あなたに何の用だったんだろう。
俺はてっきりここのPRとかであなたとは顔見知りだとはかり思ってた。」
「知らないけど…おいらを訪ねて来の?」
「うん…何だろうね?俺は偶然その人のこと知ってたんだけど、俺がここに勤めてること自体話してなかったからお互いにビックリしちゃって。」
「ふうん…そうなんだ。」
「その櫻井って人と友達の相葉さんって人に誘われたんで、今夜夕飯食べて来ますけどイイかな?」
「そうか…うん、分かった。」
「ついでにあなたに何の用だったかも聞いときますね。」
「あ、うん…」

大野さんは本当にあの二人の名前を聞いてもピンと来ていない感じだったから、もしかすると櫻井さんはあの事件の事、まだ調べてるのかもしれないって思った。
大野さんは少なからず証人として俺の裁判で証言してくれた人だし、全く関わりが無いとかいう訳じゃないけど、大野さんに一体何を聞こうとしてるんだろう。
まあ、それも俺が直接会って聞いたらいい事だ。

 

夕方6時に仕事を終え、俺は約束通り櫻井さんの携帯に連絡を入れた。

「もしもし?二宮ですけど…あの、仕事終ったんで、俺何処まで行けば良いでか?」
「あ、お疲れ様です。そちらの画廊の向かいのビルの3階の居酒屋があるんですけどそこに相葉さんと居るんで、直ぐに来れますか?」
「大丈夫です。今からそっち向かうんで。」
「それじゃ、お待ちしてます。」

電話を切って、大野さんにはなるべく早く帰ると告げて待ち合わせ場所へ向かった。
居酒屋に着くと、店員に案内されて二人と合流した。
「お待たせしてすみません。」
「ニノ、何飲む?」
「あ、それじゃ俺は生を…」
相葉さんが店員にオーダーを伝え、とりあえず運ばれてきたビールで乾杯した。
「あの、どうして今日は二人して画廊なんかに?」
「その事なんだけどね…翔ちゃんがあれからずっとあの事件の真相を調べてる事は聞いてるよね?」
「やっぱその件か…で?
大野さんに何を聞こうとしてたの?」
「結論から単刀直入に言うと…二宮さん、悪いことは言わない。直ぐに大野さんから離れたほうがいい。」

櫻井さんが真剣な表情で俺にそう告げた。

「ええっ?」
「それってさ、どっちから近付いたの?」

相葉さんも既に櫻井さんから詳しい事は聞いてるみたいで、身を乗り出して俺に質問を投げ掛ける。

「近付いたのって…どういう意味よ?
大野さんは櫻井さんも知ってると思うけど俺を裁判で無罪に導いてくれた恩人だよ?あの人が現れなかったら、俺は今も拘置所からまだ出て来れなかった可能性だってあるし、ここでこんなふうに酒とか飲んでる場合じゃ無かったはずだよ。
大野さんとは面識も無かったけど、証人になってくれた御礼がどうしてもしたくて弁護士の松本さんに連絡先聞いて、俺の方から会いに行ったんだ。それから社会復帰がなかなか出来ない俺を見兼ねて自分が経営してる画廊で働かせてくれて…俺、あんな人初めてなんだ。俺なんかにあんなに優しくしてくれる人、他には居ないよ。それなのに何で離れろとか言われなきゃならないの?意味が分からないよ。」
「なるほどね。きっとニノの事を傍に置いておく方が安全と判断したんだな…」
「ねえ?何が言いたいの?」
「二宮さん、あの二人を殺した真犯人は…
大野さんかも知れないんですよ。」
「えっ?」

櫻井さんと相葉さんの表情は真剣そのものだった。

「な、何を馬鹿な事を言ってんですか。」
「大野さんにはちゃんとした動機が有るんです。」
「はあ?」
「大野さんの知り合いに石川真理さんっていらっしゃったんですが…彼女は3年前に自殺されてる。その理由は大野さんと真理さんが不倫関係に有った事が真理さんのご主人にバレたからだそうです。
勿論、真理さんはご主人に疑われない様に密会を慎重に繰り返してた。」
「いや、ちょっと待ってよ!それとあの二人と一体何の関係があるんだよ?」
「ニノ、落ち着けよ。ちゃんと最後まで翔ちゃんの話を聞けってば。」
「殺されたあの二人と大野さんは少なからず繋がりが有ったのは二宮さんも知ってますよね?」
「う、うん。それは知ってるけど…でもただの釣りで知り合っただけだって言ってたし、全然友人とかじゃないと思うけど。」
「そうです。面識があったというだけでしょう。しかしたまたま真理さんと密会してる様子をあの二人に目撃されてしまった。
真理さんのご主人は地方議員だった。いずれは国会議員にも立候補が噂されていた。
自身は勿論だけど、身内のスキャンダルもNGだし
名前に傷が入るのはマズい。
先ず二人は真理さんに接触して、不倫の事を
ご主人にバラされたく無いなら言うことを聞けと
真理さんへの強請り始めた。
真理さんはご主人にだけは内密にしたいと
多額の金を二人に払い、身体までも弄ばれた。
にも関わらず、二人はご主人に告げ口をして
婦人の不倫ネタを週刊誌に売る、と次にはご主人に
まで強請りを始めた。
真理さんはそれから当然ご主人から責められ
精神的に追い込まれうつ病を患ってしまった。
最後はマイカーごと海に突っ込み自殺してしまっ
たんですよ。
大野さんがその事をどのタイミングで知ったのか
はわからないけれど、二人を相当恨んでいたはず
です…」
「何か…もっともらしく聞こえるけど、それって櫻井さん、あなた大野さんって人のことは何も分かってなくて言ってるよね?」
「え?あ…僕は勿論大野さんとは面識は有りませんからどんな方かってところまでは…」
「だったらもう、こういう勝手な詮索はやめてもらえますか?大野さんが真犯人だなんて…言いがかりにもほどがあるよ!これ以上余計なこと話したら、あなたを名誉毀損で訴えるから!」
「ニノ…翔ちゃんはニノの事を心配して…」
「相葉さん!あなたもね!今の話、他所で話したりしたら、俺が許さないから。もう、あの事件の事は
お願いだから探らないで!あの二人をやったのはこの俺なの。それで裁判も終結したんだから、そっとしておいて!大野さんにも今後一切近寄らないで。」

俺は興奮気味に半泣き状態でそう二人に訴えると
テーブルにビール代を置いてその場から立ち上がり
二人が引き留めるのも聞かずにさっさと店を後にした。

続く

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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