truth

truth 20

truth

第20話 嫉妬

 

 

あの人が真犯人?
何を証拠にそんな馬鹿げた妄想…
櫻井さんの話は確かに一部は大野さんから俺が聞いてた話と重なる部分も有った。
だけど明らかに間違った解釈してる部分がある。
それは真理さんと大野さんが不倫関係に有ったという部分だ。
真理さんは大野さんに絵を描いてくれと言った依頼主。単なるモデルと絵描きって関係なはず。
何とも馬鹿げた話だよ。
大野さんの話では、真理さんは兼ねてからご主人からDVを受けていた。
モデルをしながらその悩みは打ち明けていたかもしれない。
大野さんが旦那が居る女に手を出す?
話を勝手に面白くしたいだけじゃない。
ふざけるのもいい加減にしろっての。
少なくとも大野さんの人格を知ってたら絶対にそんな発想は浮かばないんだよ。

イライラが治まらないままに俺はマンションに予定よりも早く帰った。
「ただいまー。」
「あれ?お帰り…どうしたの?飯食って来るんじゃなかったの?」
「え?あ…うん。なんかちょっと気分が悪くて先に帰って来ちゃった。」
「ん?大丈夫か?」
「う、うん、もう平気。」
「そう?で?週刊誌の人、おいらに何の用だったの?」
「え…あ、ううん、あなたじゃなくて俺に用事だったみたい。」
「だけどニノが画廊に居る事、その人は知らなかったんじゃないの?」
「べ、弁護士の松本さんに聞いて来たらしいの。」
「ふうん…」
「あ、あのさ…大野さん…」
「ん?」
「いや…やっぱり何でもない。」
「んふふ…何?言いかけて言わないと気になるじゃん。」

真理さんの事を聞こうとしてた。
遠回しにでもどんな人だったのかを聞けば
大野さんの表情で嘘を見抜く事が出来るかもしれないなんて、一瞬でも思ってしまった俺。
櫻井さんに余計な妄想しないでと言った自分が
大野さんの事を疑ってどうするんだよ。

「ニノ?」
「お、俺風呂入って来ますね。」

俺はその場から逃げるように浴室に入った。
決して大野さんの事が信じられない訳じゃない。
だけど居酒屋を出てからずっとモヤモヤしてる。

大野さんは真理さんと不倫の関係にあった…

櫻井さんの声でその言葉が俺の頭の中をグルグルと駆け巡る。
事件の真相なんて今更興味は無い。
真犯人が誰だってもうそんなのどうでもいい。
俺は今、明らかに恐ろしく嫉妬を感じてる。
ヤキモチを妬いたところで真理さんはこの世には居ないの分かってるのに…
なんでこんなにもモヤモヤするのか?
頭の中を一つずつ整理していると、一つだけ分かった事がある。
俺は大野さんが好き。
あの人には俺だけを見ていて欲しいのに
もしもあの人の心の中に真理さんがまだ居たとしたら…例えこの世に存在していなくても、俺にとって
真理さんは邪魔な存在でしかないのかもしれない。

あの画廊に飾られてある絵を売らないのは
もしかしたらまだ真理さんの事を忘れられないで居る証拠じゃないのか?
そこだけはやはり確認しておく必要が有る。
俺は風呂から出ると、そのままリビングのソファーで寛ぐ大野さんの隣に腰を下ろした。
大野さんは今日の出来事を何も知らないんだから無理もないけど、呑気に缶ビールを片手にお笑い番組とか観て笑ってる。
俺はそのビールを左手で簡単に奪い取り、勝手にゴクゴクと喉を鳴らして潤した。

「ちょっとー、ビールが欲しいなら冷蔵庫に幾らでも冷やしてあんのに…」
「いいの。俺はこれがいいの。」
「ええ?」

俺は缶ビールをテーブルの上に起き、甘える様に大野さんの顔を下から覗き込み、口を尖らせキスを強請ってみる。

「え?何だよ?どーした?」
「…俺のこと好き?」
「ええ?マジでどーした?今日何か変だぞ?」
「答えてよ!好きか嫌いか聞いてるの!」
「んふふ…好きに決まってるじゃん。」
「だったら、して!」

大野さんはいつもと変わらない。
少しハニカムようにフニャッと笑いながら俺に優しく口付けた。
直ぐに離されそうになるその唇を追い掛ける様に、俺は更に深く重ねながら大野さんの身体をソファーに押し倒した。

「んんっ…ニノ…んはっ…」
「んっ…スキっ!」

この人は俺のモノ…俺だけのモノ。
想いがキスで伝わるように、激しく熱く絡ませると
大野さんが「その気」になって、俺と身体の上下を入れ替わり、俺の大事な所に自然に手が伸びた。

「もお。こんなになってるじゃん(笑)」
「いいから、早くしよっ…」

身体重ねたからといって心まで固く結ばれてるかと言ったらそれは俺にも分からないよ。
それでもとにかく身体重ねていないと俺は不安でたまらなかったんだ。

 

    04.bmp

続く

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


%d人のブロガーが「いいね」をつけました。