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truth 25

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第25話 あなたについていく

 

 

「どうして何も反論しなかったの?」
「どうしてって、反論しても同じことだよ。」
「でも、あなたは何も悪い事してないでしょ?あんな言い方されてどうして黙ってるの?」
「言い争いとか、そういうの何か苦手なんだよ。」

そりゃ、大野さんが平和主義なのは俺にだって見ていれば分かるよ。
だけど、今の言われようはあんまりだと思ったから、俺は黙ってられなかった。

「確かにね、もしもニノの事をあんな風に言われてたとしたら
おいら黙っていられないかも・・・」
「えっ?」
「愛してる人だったらおいら全力で守るよ。」
「お、大野さん?///」
「んふふ・・・何真っ赤になってるの?」

だって・・・愛してるとか目の前でそんなこと言われりゃ、
普通恥ずかしくて赤面するに決まってるよ。

「大野さんは、あの人が再婚してた事を知らなかったの?」
「知らなかった。」
「驚いたでしょ。だって子供まで居るんだから。」
「うん・・・」
「まさかアイツ、真理さんが生きてた頃から浮気してたんじゃないのかな?」
「おいらも・・・それは思った。」
「でしょ?絶対そうだよ。ねえ、真理さんは本当に自殺だったの?」
「え?何で?」
「怪しくない?あいつ、もしかしたら真理さんの事が邪魔になって・・・」
「もうよそうよ。」
「大野さん?」
「真実を突き止めたところで何も変わりやしないよ。真理さんだって・・・
死んだ人は戻って来てはくれないじゃん。」
「そ、それはそうだけど・・・」

その台詞、俺も何か似た様なことを以前相葉さんと櫻井さんに言ったような気がする。
俺達ってやっぱ何処か似てるのかもな・・・

「おっ、花火始まるよ?」

俺達は河川敷に腰を下ろして買ってきたビールを飲みながら
夜空にド派手に打ち上げられる花火を見上げて堪能した。

「綺麗だな・・・」
「ホント、まさかあなたと今夜こうして花火見れるなんて思ってもみなかったし。」
「おいらも正直これは予定外だよ。」
「花火見ながら飲むお酒は格別ですね。」

本当はそうじゃない。
大野さんと並んで一緒に見る花火が格別って言いたかった。

「あのさ・・・ニノ」
「はい?」
「実はおいら、近々アメリカに移住しようと思うんだ。」
「えっ?」
「シカゴの美術館で、おいらの絵を展示して貰えることになったんだ。」
「はっ?」
「それでさ・・・ニノさえ良ければだけど・・・
一緒に着いて来てくんないかな・・・」
「シカゴ・・・ですか?」
「こないだ、ニノの絵を買ってくれた老人居たじゃん。」
「あ、うん。1千万の人でしょ。」
「そうそう。あの人、アメリカの大使館で働いてる人なんだけどね・・・」
「へえ!そうだったんだ?」
「うん。あの人が美術館にわざわざ働きかけてくれてたんだよ。」
「す、凄いじゃん。」
「でもシカゴなんておいら一人じゃ不安だしさ・・・
だけど移住するのは夢だったしさ。」
「あなたの夢?」
「来年年明けたら行こうかと思ってて。」

もういきなりそういう話をするからビックリして
俺はポカンと口を開けて大野さんの方を向いた。

「一緒に行ってくれるよね?」
「す、少し考えさせて貰ってもイイですか?」
「え?あ、うん・・・それは勿論。」

即答で素直に着いて行くって言えばいいのに・・・
俺はこういうところ有るんだよね。
推されると引いちゃうっていうか・・・
自分でもこんな性格が嫌になる。
返事を待たされた大野さんは、そりゃ元気もなくなるよ。
べつにプロポーズされたとういうわけじゃないのに
そこまで勿体付けてどうするんだよ。
当然お互いに気まずくなって、それからの会話は完全に途絶えてしまった。

それからクライマックスの連続の打ち上げ花火が上がり
全ての花火が終わってしまった。
余韻に浸りながら俺達は河川敷の花火会場を後にした。

大野さんが約束のコンビニから電話を掛けて、数分後におばさんが俺達を迎えに来てくれた。

「どうだった?花火・・・」
「あ、うん。久々楽しかったですよ。ね?大野さん。」
「う、うん・・・」
「なあに?二人とも、何か余所余所しいわね?」
「そ、そんなことないよ。なぁ、ニノ?」
「う、うん。何時もと変わらないですよ。」
「良いわねぇ・・・若いって。羨ましいわぁ。」
「何言ってんだよ。」

どうせ、俺だってこの人から離れられるわけがないんだ。
アメリカだろうがジャングルだろうが、着いて行かないという選択肢は何処にも無いよ。
もう大野さんちに帰ったら、ちゃんと返事して安心させてあげなきゃ。
俺は後部座席でおばさんに見えない様に膝に置かれた大野さんの手をギュっと強く握りしめた。

続く

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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