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truth 31

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第31話 救出作戦

 

 

大野さんが俺を守るために捻り出した答えが
お互いが別々に暮らし、暫く会わない様にしようという提案だった。
俺は最後までその必要は無いって大野さんの提案を突っ撥ねたけど
思いの外その決心は固かった。
それは大野さんの俺に対する深い愛情だっていうのはわかるけど
やっぱり俺達は濡れ衣を着せられてるだけなのに
それはどう考えても可笑しいだろうって思うのは当然のこと。
単純にあの石川に二人の関係を引き裂かれるって事に
俺はどうしても納得がいかない。
とりあえず、俺は荷物を纏めて自宅に戻ったけど、
これがいつまでって明確な期限も定められていないわけだから
このままジッとしていられるわけがない。
だって大野さんが万が一逮捕なんて事になって
容疑者扱いになってしまったら、裁判で判決が出るまでは
少なくとも俺の時みたいに1年以上拘束されてしまう。
しかも俺の時は正当防衛で無罪だったから良かったけど
大野さんの疑いが晴れなければ、間違いなく有罪判決だろうし
人が死んでる訳だから、無実の証拠が出ない限り極刑も免れないだろう。
そうなる前に何とかしなければ、俺達に明日なんて無いのと同じだ。

そして俺は今日も松本さんの事務所を訪ねていた。
そして、石川を告訴出来ないかを相談してみた。

「ねえ、そういう事だから今直ぐあの石川を告訴することは出来ないかな。」
「うーん・・・参ったな・・・」

俺の話をメモを取りながら聞き終えた松本さんが零したひと言目がこれだった。

「石川って市議会議員な訳でしょ?」
「う、うん。そうらしい。俺は詳しく知らないけど・・・」
「議員を告訴となるとなぁ。」
「無理なの?どうして?今の俺の話聞いてわかったでしょ?
二人を利用して真理さんを自殺に見せ掛けて殺したのはあいつだよ。
しかもその後にあの二人も口封じに殺したんだ。
こんな分かり易いシナリオはないでしょ。早くあいつが捕まらないと
罪のない大野さんが容疑者に仕立て上げられてしまうよ。」
「二宮くんの気持ちは良く分かるよ。だけど、相手が悪い。
議員相手に告訴となると、確たる証拠が必要になる。
憶測だけで下手に動くと、逆に名誉棄損で訴えられてしまう可能性もある。」
「証拠って言っても・・・もう真理さんが死んで3年も経ってるんだよ。
あの二人が殺されたのだって1年以上だし。現場検証も既に終わってるのに
これ以上証拠とか出るわけないじゃん。犯行動機だけでは駄目なの?」
「あの二人のどちらか一人でも生きてたら話は別だけど
死人に口なし・・・ホントに良く出来たシナリオではあるな。」
「もう、松本さん、感心してる場合じゃないよ。」
「あ、ゴメン、ゴメン。」
「ねえ?大野さんを助けるにはどうすればいい?」
「・・・そうだなぁ。方法がない事もない。
だけどこれは石川議員を告訴出来る方法ってことじゃないよ。
そこは勘違いしないで聞いてよ?」
「う、うん。」
「石川議員のスキャンダルが本当の話だとしたら
普通に政治家としては即アウトって話になってくる。
だから大野さんに再婚相手と子供を見られて慌てた石川議員は
大野さんを容疑者として逮捕するように警察にモーション掛けた、
ってことだよね?」
「うん、そうだよ。」
「今はさ・・・SNSってのが有るじゃん。」
「SNS?」
「そう。しかも君は週刊誌ジャーナリストの友達が居るよね。」
「えっ?あ・・・うん。」
「ちょっと危険な方法ではあるんだよなぁ。でもこれが一番手っ取り早い方法だと思うんだよ。」
「こ、これって?」

俺は身を乗り出して松本さんに詰め寄った。

「うん、まあ落ち着きなって。」
「勿体付けないで早く教えて下さいよ!」
「勿論、この方法は大野さんが正式に逮捕された後に実行する事が条件だよ。
それから、この方法はあくまでも法律とは一切関係のないやり方だしさ、
さっきも言ったけど、ちょっと危険なやり方では有るんだ。
教える前にちゃんと俺の言う通りに動くということを約束をして欲しい。」
「わ、分かった。約束するよ。」

松本さんはその後、その方法というのを俺に説明してくれた。
石川議員は俺が殺したと見せ掛けてあの二人を直接殺害してる可能性もあるから
くれぐれも俺単独での行動だけは避ける様にとの助言もあった。
だけどその方法はとても分かり易く至ってシンプルなのもだった。

「松本さん、有難う。これで大野さんが逮捕されたとしても
間違いなく直ぐに釈放されるよね。」
「うん、でもまあ石川議員ってヤツも相当かもしんないからさ、
それでうまくいっても直ぐにでも大野さんと二人で何処か遠くに
逃げた方が良いと思う。」
「あ、それは大丈夫。俺達アメリカに移住することになってるの。」
「ええ?アメリカ?」
「そう。だから、何が何でもあんな奴に負けるわけにはいかないんだ。」
「そうか。本当なら真犯人の証拠掴んで告訴してやりたいところだけどな。
こんな方法しか教えてやれなくて・・・情けないよ。」
「ううん。勝てない戦はするだけ体力の無駄ですよ。
あっちが頭脳戦挑んできたのなら、更に上をいくしかないんだよ。」

それから数日後・・・
ついに逮捕状が出て、大野さんは真理さんの殺人容疑で警察に連行された事を
俺は松本さんのメールで知らされた。


続く

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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