truth

truth 32

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第32話 愛してるからこそ

 

 

 


「大野さん・・・」
「ニノ・・・」

それは愛する人との数日振りの再会。
面会室のガラス越しに向き合って腰掛けた俺達。
こんなに近くに居るのに触れ合う事も許されない。
検察からの厳しい取り調べが続いているのだろう・・・
大野さんは最後に会った時よりも明らかに痩せ細り
セット出来ないから前髪が完全に降りてて童顔なのが更に若く見える。
髭は伸びてしまい、その目に力は無いものの
俺を見つめるその瞳は何時もの優しい大野さんだった。

「来ちゃ駄目だって・・・」
「いいんだよ。あなたは何も心配しないで。」
「それじゃ何の為に自宅に戻したのか・・・
まったく意味が無くなるじゃん。」

監視の警察官の目を気にしながら
大野さんが小声で俺にそう囁くように言った。

「松本さんから何か聞きました?」
「えっ?ああ・・・何かおいらが捕まったのには
石川さんが証拠を提示したって言ってた。」
「ふうん。証拠ねぇ・・・あなたは犯人じゃないのに
証拠なんてどうせ捏造してるんでしょ。」
「それはおいらも訳が分かんなくてさ。
取り調べの時にそれがおいらのかどうか
ひたすら聞かれるんだけど、おいらのじゃないから
知らないって答えるしかないじゃん。」
「だけどこれでハッキリしましたね。
真犯人はやっぱりあいつじゃん。」
「ニノ、頼むからこの件にこれ以上首突っ込むのはやめてくれ。
おいらは大丈夫だから、もうここにも来ちゃ駄目だ。」
「何が大丈夫だよ。あなた分かってないんだ。
俺の時とは状況が違うんですよ。特に今回の事件は
正当防衛だって適用されるような話じゃないんだ。
何もしないで黙ってたら、あなたは計画的に真理さんを殺害した
犯人として裁かれてしまうんですよ。」
「うん・・・そうかもね。」
「じょ、冗談じゃ無いよ!あなたは良くても俺は絶対にそんなの嫌だから。」
「こ、声がデカいよ・・・」

こんな状況なのに戦意喪失されて平和主義かざされたんじゃ
さすがに俺も声が大きくならざるを得ない。

「大野さん・・・俺はあなたの事、愛してるの。
俺は出来ればまたあなたと幸せに暮らしたいんだ。
一緒にアメリカに着いて来いって言ってくれたじゃない。
そう言ったのはあなたじゃない・・・」
「ニノ・・・」
「あなたのご両親だって、メルとプリンだって、
あなたがこんな状況になってると知って、きっと悲しむに決まってるよ。」
「う、うん・・・でも・・・」
「もう決めたの。あなたはこの俺が助けます。」
「た、助けるって・・・」
「待ってて、直ぐにここから出してあげるから。」
「えっ?何する気?」
「あなたは何も心配しなくていいから。」
「待って!無茶はよせ。」
「大丈夫。危ないことはしないから、安心して。」

そしたら急に大野さんが俺の目の前で泣き出した。

「えっ・・・ど、どうして泣くの?」
「お、おいらなんかホントどうなっても良いんだ。
ニノが万が一危険な目に遭っても、おいら・・・
こんなんじゃニノの事守ってやれないじゃん・・・ううっ・・・」
「お、大野さん・・・」
「お願いだから、おいらの言う事聞いてよ。
もう、おいらの事は忘れてくれてもいいんだ。
ニノはおいらの分まで幸せになってくれ。」
「ヤダ!なんで?どうしてそんな酷い事言うんだよ?
あなたに幸せにしてもらうことが俺の幸せなんだよ。
それじゃ駄目なの?」
「・・・」
「もういいよ!この石頭!勝手にしろ!」

俺はそう言い残して面会室を後にした。
大野さんの気持ちはわかる。
でも、自分の事を忘れてもいいだなんて・・・
どんだけ俺のこと・・・想ってくれてるんだよ。
それは愛してるからこその涙と、あのひと言なんだ。
それが痛いくらい伝わるから、こっちまで泣きそうになった。
俺が大野さんの前で泣いたりすれば
あの人が獄中で不安になったりするといけないから
ついあんな事言ってしまったけど・・・

待ってて!大野さん。
あなたと俺をこんな目に遭わせたあいつを俺は絶対に許すわけにはいかないよ。

「あ、もしもし、相葉さん?俺です。昨日打ち合わせしてた件・・・
そうそう、石川の・・・早速、今夜決行しようと思うんだけど。
・・・それじゃ19時に待ってますね。宜しく。」

そして、いよいよ俺は大野さんを助けるべく
相葉さんと櫻井さんの協力も得て、あの石川の元へと向かう事にした。

続く

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

2件のコメント

  • 3240

    こんばんは
    いつもお話ありがとう。
    「truth」のお話読んでると「魔王」を思い出してしまいます。
    結局、智くん捕まってしまったんですね!
    カズの為をおもっての智と、智くんを思ってのカズ、泣いてまうやろー!
    犯人は、やっぱり「石川」?どこまで身勝手な奴なんだ!(お話だと分かっていても、感情移入してしまう)
    どうやって救いだすのか?楽しみです。

    • 蒼ミモザ

      3240様

      こんにちは。
      お話はいよいよ佳境に入って参りました。
      さて、犯人は一体誰なのでしょうか?(笑)
      「魔王」は私もドはまりしたドラマなのであらすじは全く別物ですが
      ミステリーは意識してtruthというタイトルにしました。
      あと、潤くんの99.9刑事専門弁護士の深山のキャラも好きだったので
      拝借して妄想しております。

      いつも有難うございます。
      今後の大宮の行方を見守りながら最後までお付き合い頂けたら幸いです(*’ω’*)

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