truth

truth 4

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第4話 偶然

 

 

 

「あいつらとは釣りの情報交換の掲示板で知り合ったんだよ。バス釣りのチーム戦の関東大会で優勝した事があってさ。」
「へえ。そうなんだ?」
「釣りの話だけじゃ無くてそれ以外の話もしてたからさ・・・たまたまあの二人のやり取りを見ちゃったんだよね。」
「ああ・・・あの裁判所に提示してくれた内容?」
「うん。」
「深夜だったから、ログインしてるヤツが他に居なかったんだよね。だから何話してるんだろうって思って、
 暫く会話には入らずに見てたんだよ。」
「なるほど。そしたら俺を襲うって計画をそこでその時してたって事?」
「うん。事件が報道されてるのをテレビで観て、まさかとは思ったんだけど、君が容疑者になってるのを知って
 とにかくビックリして・・・この事を証言すれば容疑が晴れるんじゃないかと思ったんだ。」
「本当にあなたが名乗り出てくれなかったら、俺は有罪になってたんだもんね。
 まあ、無罪にはなったけど正当防衛で俺が二人を殺したって事にされてさ、
 何だか丸く収められちゃった感じなんだよね。とにかくこの事件は早く終結したかったんだろうけど。
 俺としてはずっとモヤモヤを引き摺っちゃってるから、嫌な感じで・・・」
「あ、ほら、君のことを最初に誘った友達?その子は二人と知り合いだったんだよね?」
「いや・・・彼も知らなかったみたいなんだよね。そいつも2人から俺が祭りに来れなくなったと聞かされて
 それを信用して待ち合わせ場所に来なかったって言ってた。」
「全て計画通りだったって訳だ。」
「でも何で俺だったんだろう?俺はあいつらとは面識もないし、恨まれるようなことは一切してないのに。
 しかも俺は男だよ?ひ弱に見えても男なのに・・・」
「あいつら恐らく君が初めてじゃないんじゃないかな。」
「えっ?」
「多分、好みの男の子に目を付けて・・・他にも調べたら前科が有りそうだよね?」
「気持ち悪いっ」
「ホント、最低だよ。それで君は怪我とかしてなかったの?」
「うん、怪我とかは全然。でも気が付いた時素っ裸だったんだよね・・・」
「そ、そうなんだ・・・」
「実際やられたかどうかも覚えて無いんだ。とにかく催眠ガスみたいなのをかがされたから。」
「ホントに災難だったね。」
「生きてたらホント許せないけど、もう死んじゃってるしね・・・やっぱりあいつら
 他にも誰かに悪戯しててさ、殺してやりたいほど恨まれてたのかもしんないね。」
「すまなかったね・・・」
「えっ?」
「あ、いや、あのチャットの事をもっと早く俺が警察に相談していたら
 君が事件に巻き込まれたりすることもなかったかもしれないだろ?」
「でも、それは俺があなたの立場だったとしても、二人の会話を本気にしたりはしなかったと思うし
 俺はあなたには感謝しかないよ。」

それから暫く事件についてあれこれ話を聞いてくれて
時計を見たら、既に20時半を回ってて

「あっ、直ぐに帰るとか言ってもうこんな時間なんだ。すみませんでした。
 長居するつもりはなかったんですけど、つい・・・」
「んふふふ。全然気にしないでいいよ。」
「それじゃこの辺で失礼します。」
「あっ、送るよ!」
「ええっ?大丈夫ですよ。ちゃんと一人で帰れますから。」
「だって、君って独特の可愛さが有るから狙われたんじゃないの?」
「えっ?」
「送るよ。俺こう見えても空手習ってたから。少しはボディーガードとして役に立つよ。」
「へえ。そうなんだ?」
「君さ、あんまり夜に一人で出歩かない方がいいよ。」
「えええっ?もう俺子供じゃないんですよ?」
「そりゃそうだけど・・・」

結局俺は大野さんに自宅まで送って貰う事になった。
松本さんが言ってたみたいに、この人は一目で良い人だなって分かった。
初対面だというのに、まるで昔から知ってるみたいに気張らずに話せた。
この俺が人なんて殺せるはずが無いと言ってくれた身内以外の二人目の人間だ。
自分の味方が弁護士の松本さん以外にも居たって思ったら何だか嬉しくなった。
実際あの事件以降、俺の友達は皆俺とは関わろうとしなくなってたから
こうして普通にお喋り出来たのって久し振りの事だった。

「あ、ここです。本当にわざわざ家まで送ってもらってすみませんでした。」
「ううん。それじゃ、またね。」
「あっ、大野さん?」
「え?何か?」
「あの、携帯・・・教えて貰っても良いですか?」
「えっ?」

一瞬驚いた顔をしてたけど、次の瞬間フニャッと笑って

「いいよ。それじゃ、俺も教えて貰おうかな・・・」

そう言ってポケットから携帯を取り出して俺に番号を表示して見せてくれた。
俺はその携帯番号を登録して、その電話に目の前で電話を掛けた。

「あっ、それが俺の番号なんで・・・」
「うん。ありがとう。また近くに来たら何時でも遊びに来てよ。」
「え?いいの?」
「んふふ。いいよ。それじゃまたね。」
「あ、気を付けて。」

大野さんの背中を見送って家に入ろうとしたその時、
一台の車が俺の家の真ん前に停車した。
そして運転席から一人の男性が降りて来て

「あの、二宮さん、ですよね?」
「えっ?あ、はい。何か?」

知らないヤツから声を掛けられることがトラウマになってて
思わず俺は後退りしてしまう。

「初めまして。週刊〇〇の記者で櫻井といいます。ちょっとお話をお伺いしたいのですが。
 今ってお時間大丈夫ですか?」
「え?週刊誌が俺に何の用ですか?」

その人は俺に名刺を差し出した。

 
続く

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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